降るときゃどしゃぶり

When it rains, it pours
昨日はまさしく春の嵐。
土砂降りどころか暴風に見舞われました。
ワシもバイクが風にあおられて、1車線くらい横スライドしそうでしたよ。
スピードがあると浮力が付くいい例ですね。
ところで今、世の中はひとり勝ちの世界。
同じ業種でも、成功する企業と退陣を余儀なくされる企業があり、
スポーツでも芸術でも、商品のブランドでもそうです。
ひとつの理由としては、情報の速さと広範性で、
世界隅々まで同じ情報が到達するようになったこと。
何かがいいと聞くと、まずは試しで追い求める人が増えます。
人が増えればますます注目を浴び、ますます多くが飛びつきます。
昔、ABBAの曲で
Winner takes it all
という名曲がありました。
まさしくひとり勝ちの世界。
これは物理学の運動方程式でも説明できると思います。
前にちょっと触れたことがあったんですが、(アガサ・クリスティのゼロ時間へ参照)
物事のエネルギー(力)と加速度、そして質量と慣性の関係です。
力は質量に加速度をかけたもの。
F = ma
⇒ a = F/m
物体の加速度の大きさは,力に比例し,質量に反比例する(加速度の方向は,力の方向と同じ)
つまり摩擦などの条件が同じならば、重いものほど加速度は小さいということ。
ところがここに慣性モーメント(I)という力が働きます。
(このモーメントは英語での「瞬間」ではなく「力=momentum」のことです)
これはと~ってもカンタンに言えば、
重いものほど動かしにくい反面、止めにくいのです。
大きなトラックが急には止まりにくいのもこれ。
よく「勢いがつく」といいますね。
これは加速度ととらえがちですが、実はこれも慣性モーメント。
さて情報や注目される量がこの場合の質量と考えれば、一目瞭然。
ひとり勝ちの法則にはこんな秘訣が隠れています。
世の中にはこの慣性モーメントがいたるところで働いているんですね。
質量はこればかりではありません。
かの有名なシェイクスピアも『ジュリアスシーザー』の中でブルータスに言わせています。
"There is a tide in the affairs of men,
which taken at the flood leads on to fortune...".
人のすることにも潮時というものがある。
満潮に乗ることで自然と運が向いてくるのだ。(テリ訳)
この場合の質量とは、そう潮の量。
去年の東北震災では津波の圧倒的な力にみな打ちのめされました。
そのくらいの質量を伴うと、もう何もそれを止める事ができません。
しかし、サーフィンをやる人にとっては、
この満ち潮によって、すごい経験ができることも確かです。
長年恋人がいなかった人に、彼女や彼氏ができたとたん、
急にあっちでもこっちでもモテ始める。
これなんかもきっとそう。
なにか勢いがついて、輝きが出てくるんですね。

よくも悪くも物事の質量というのは、
慣性の力を生み出します。
大きな挫折感や、深い悲しみがあった人ほど、
次なる1歩を踏み出すのは大変ですが、
1歩踏み出せば、あとは勢いが付いてきます。
その勢いは、普通に始めた人たちよりきっと大きいはず。
問題は始めの1歩を踏み出すためにどうするか。
ここではテコの原理を使います。
全部を自分で動かそうとせず、人やものできっかけを作り、
その助けを借りるのです。
テニスを始めたいなら、まずお気に入りのウエアやラケットを買ってしまう。
そうすればそれを使わないのはモッタイナイから、始める。
ダイエットならワンサイズ下の服を買うのはもう常識。
しかもなるべく大枚はたいて普段着たいものを買います。
よくおしゃれ着を買ってしまって失敗するのは、
着ていく機会が少ないからです。
こんなテコを手に入れることで、
自分の運や視野が変わってきます。
それだけでもステキなことですが、
そうなったらあとは潮の流れに乗って突き進むだけです。
もうひとつの質量のほうは、
とにかく大きな感情のウェイブを作りましょう。
普段から気になってはいるものの見ないフリしてた人や
考えないようにしていた人。
直視してみるのが第1歩ですね。
自分は何に飢えているか。
それをとことん見つめ、自分に叩き込みます。
お金でも美容でも語学でも何でも構いません。
とことん追い詰め、納得し、最低レベルを自覚します。
そうすることでもうイヤになってしまうかもしれませんが、
モチベーションをあげるにはこれが1番。
今までのように
「まあ、自分なんかいい方さ」とか、
「あの人に比べたら私はまだマシ」
とかではなく、
「自分の望んでいる自分ではない」とはっきり鏡に向かって言いましょう。
そして、今何ができるか、箇条書きにします。
考えるだけではなく、書き出すことで優先順位をはっきりさせます。
誰かが気になって仕方ない人は告白して、
大恥をかくのも手。
とにかくとことん、たまには自分を追い込みましょう。
4月になり、春が来て、何か新しいことを始めようとしている人も多いと思います。
紫外線でのシミを気にする人や、
しつこい花粉症に悩む方々には大変な季節かもしれませんが、
ワシの場合はたんにポカポカして、太陽がまぶしくなるだけで
気持ちがウキウキしてきます。
毎朝の朝食にもひと工夫したくなるし、
仕事の話もかねて表に飛び出したくなります。
何を始めるにしても、
大きな目標を立てることをオススメします。
そして冬眠から覚めたクマのように
物事に対して大食漢であれってことですね。
ハングリー精神というのは、
もちろん飢えることから始まります。
自分が渇望するものを見つけ、
その必要性をとことん探り、
始めの1歩を作り出す。
今年の春はそんな季節であってほしいもんです。
