感謝祭の頃 (前編) Happy Thanksgiving !

はい、これは世界でもアメリカとカナダだけのお祭り「感謝祭」です。
その昔イギリスから渡ったピルグリムたちは苦労の末に開拓に成功し…
といったアメリカ移住時代の話が起源なのはもう知ってるかも?
一方、ネイティブアメリカンたちはこの日を大虐殺の始まりとして、
今でも抗議デモを行うそうです。
確かに彼らにしてみればそうでしょう。
でも一般的には家族の集いの強制的きっかけとして
ほんとに国民的行事。
NYではメイシーズデパートが主催する大規模なバルーンパレードが、
TV中継されるほどの定番で、ちょっとねぶた祭りに似ています。
ほんとに華やかで、だれでも楽しくなる、
NYマラソンと並ぶ人気行事です。


NY時代は、夏のビーチハウス以外はほとんど、
毎週のようにアップステイト~ハドソンの家に泊まりに行きました。
友人の家ですが我が家も同然。
プロファイルの写真もその家のキチンです。
(ハドソンの思い出参照)
ハドソン川沿いの電車で行くことが多かったんですが、
帰りはその友人たちと一緒に車でシティへ帰って来たり、
向こうではミヤタ(ロードスター)を運転したり、
チェロキーだったりいろいろです。
寒さはさすが北海道と同じ緯度。
冬も近づくと、東京よりひと月ほど早く紅葉、黄葉が始まり、
NYからたった1時間とは思えない田舎ぶりです。
どの店も家も森の中にヒッソリコンと建っていて、絵のよう。

フリーウェイを外れれば、砂利の混じる細いクネクネした山の1本道。
夜はもちろん街頭もなく、暗闇の中をヘッドライトだけで進みます。
鹿に注意、とかのサインもフツーです。
リスやタヌキは当たり前。
庭には可愛い顔したB&Wのスカンクも。
運転中、なにやら焼けたゴムのような臭いがしてくると、
すぐにウインドウを閉めます。
可哀相に、スカンクがまた1匹車に轢かれたんでしょう。
車道の脇には、たまに死んだ鹿やスカンクが横たわっています。
ほとんどが交通事故死。
寒くなり、雪が積もる前に動物達も必死です。
冬の晴れた日は氷点下10度くらいになりますから。
イノシシも柵を壊して家の庭を荒らしに来るので、
広い敷地を(まるで国立の自然公園みたいなんですが)
ぐるりと竹の塀をめぐらしたり、鉄線に微電流を通したりします。

さて、サンクスギビングと言えばやっぱり七面鳥。
今でも、たとえ東京といえど、ターキーに出会うことはあまりありません。
いえ、生き物じゃなく、食肉として、です。
日本ではそれほどマイナーな鳥ですが、たまにターキーサンドイッチとか
レストランのメインコースとかであって驚くくらいです。
あまり飼育してないんでしょうかね?
1度、5車線の広~いフリーウェイを飛ばしていると、(もちろん一方通行)
脇の林からなにやらドデカイもんが飛び出して来ました。
飛んできたんです。
ナンジャコリャ~っと思ったら、七面鳥。
おおよそこんな所で出会う鳥とは思いません。
だいたい空飛べたんかいって感じ?
そこで飼ってた孔雀の時にも同じように思いましたが、
飛んでるイメージがない鳥っていますよね。
体はまん丸、広げた羽根のせいで大きさはもう鶴くらい!
それがバタバタしながら、車に当たりそうになって横切りました。
高速で急ブレーキは事故のもと。
たいがいのドライバーはもう轢き去る覚悟です。
それでも軽い渋滞気味だったので無事、対岸まで飛んでいきました。
あんなもんがNYの高速に出てくるんだ~っと感心しました。
感謝祭用にシメられるところを命カラガラ逃げて来たんでしょうか?
聞いてみると野生化して住んでるそうです。

ガボガボ鳴いてて、頭が悪いようなイメージ。
英語の Turkey は七面鳥の他にもバカという意味が大きいです。
トルコのこともこう呼びますからなんか紛らわしいですね。
ちなみに日本人がよく発音して間違われるのが Tacky
タッキー&翼(古~い!)のタッキーではなく、野暮、安っぽい
といった意味。アクセントや発音を使い分けるのが難しい2語です。
アホでもなんでも、チキンより一段上の扱いはアメリカも同じ。
ロウファットハムとしてもよく使われます。
そういえばネコのエサには日本でも多いですね~!
クサイ、パサパサしてるといった悪い思い出は、
調理がでたらめだった店のせい。
しっとりした肉を食べたらけっこう病み付きになりますよ。
次回は日本での感謝祭パーティの様子を紹介します。
