トスカーナの休日
ダブルクリックでフルスクリーンに。
運動会シーズンの体育の日。
秋空にふさわしい映画DVDを紹介します~。
離婚で傷ついた女性がイタリアのタスカニーで
第2の人生を始めるハッピームービー、
「トスカーナの休日」Under the Tuscan Sun(2003年)を観ました。
追記:
原作はフランシス・メイズ(Frances Mayes)、Under the Tuscan Sun: At Home in Italy.
離婚後、トスカーナに家を買って住み始めた彼女の日記ともいえるノンフィクション。
何章にもわたる料理のレシピや、リノベーションの過程が描かれています。
ホーム&リビングを絵に描いたようなお洒落な内容は、NYで2年半のロングセラーだったそうです。
映画ではこうした詳細が省かれ、主に彼女が立ち直ってゆく様が描かれています。
主演のダイアン・レーンは、この映画で前年のアカデミー賞ノミネートに続き、
ゴールデングローヴ主演女優賞にもノミネートされていますね。
いわゆる女性、しかもシングルの女性達が好みそうな映画だったので、
オトコが楽しめるモンでもないだろうと、当時思った記憶があります。
ところでワシは若いときに知り合いに頼まれ、彼女に直接インタビューをして
記事を書くという仕事をしたことがあります。
彼女は80年代にティーン映画の主役を務めたあと、
2000年代に入るまではその知名度だけで、
興行的には地味な映画が続いていました。
日本のCM出演のために来日し、フリーライターである知りあいに
インタビューの仕事が来たわけですが、英会話が出来ないということで、
なぜか本職に頼まず、ワシに声が掛かったわけです。
彼女に会う日の当日はもちろん緊張しました。
軽くOKしただけなのに、インタビュー会場のホテルオークラヘ行くと、
さすがハリウッドの大スター。お連れの人がワンサカ。
公的にヘンな発言をしないように、ジト~っとこちらを見つめる目、目、目。
特に当時は、フランスの俳優で日本でも人気のあった
クリストファー・ランベールとの離婚後で、大いに紙面を賑わせていましたから
そのことに触れようとすると、すぐにストップがかかりました。
この後ワシは2度も、超有名ハリウッド女優と直接話す機会を得たんですが、
その話はまた今度。

とにかくこの映画は、女性が好きそうなテーマのオンパレード。
ロケはイタリアの光に包まれたトスカーナ地方。
フィレンツェに近い田園風景あふれる素晴らしい場所です。
シェイクスピアの『空騒ぎ』の舞台となったのは特に有名です。
(ちなみにケネス・ブラナー監督による同名映画[1993年]も素晴らしかったです!)
そこで衝動買いしたステキな家のリノベーション。
何気ない田園ファッションから、高級ドレスまで、
40代に届かんという歳ながらさらりと着こなし、
スタイルの良さもアピール。
一風変ってるけど同性にやさしい女友達たち。
もちろんグッドルッキンなイタリア男との出会いもあり、
彼女のじゃないけどウエディングシーンも盛り込まれ、
オマケにハッピーエンドを予期させる終わり方。
出る人すべてがいい人というのは、緊張感を失いがちで、
メリハリがなくなりそうなんですが、
自然光中心の温かで柔らかな光と色彩を使った映像と
俳優陣の美しさで飽きさせず、あっという間に観終わった印象です。
中でもやはりダイアン・レーンの肩の力を抜いた演技が光ります。
こんなにコミカルで自然な演技が出来る人だったのかと、
改めて感心。小品ながら各賞ノミネートも納得でした。
直接会ったときはまだまだピチピチしてた彼女も、
ちょっと老けて今のワシと同じくらいになってましたが、
リキ入れればまだまだスゴイってところも見せてくれる美しさ。
なんの期待もせず、横から覗くだけのつもりで観始めた映画。
特に今年の秋にここを訪れる計画もあったんで、
未練がましくこれを借りてきたオンナがひとり横に:p
去年のイタリア旅行を思い出してはため息のようでした。
確かに女性なら1度は旅するべきイタリアの良さも満喫できて、
元気のないときに観ても元気になれる映画です。
日本ではきっとあまりヒットしなかっただろうと思うんで、
ヒマなときにはぜひDVDでご覧ください。
それもメンドクサイ人はYouTubeで全編12回に分けてアップされてますから、
字幕なしで易しい英語に挑戦したい人にはいいかもしれません。
ちなみに日本語タイトルの『トスカーナの休日』は明らかにヘン。
休日を過ごしに行ったんではなく、住んでしまってますからね。
映画のタイトルってどうして直訳じゃダメなんでしょうかね?
向こうのキャッチコピーの英語がまたよかったです。
Life offers you a thousand chances...
all you have to do is take one.
(人生には数え切れないほどのチャンスがある。
アナタはそのうちのひとつに賭けてみるだけ)
1度は失敗してもまだまだチャンスがあるってのもいいですね。
