文化と味覚の成長? | 英語は度胸とニューヨーク流!

文化と味覚の成長?

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最近、わさび抜きで寿司を食べる人が増えてると聞きました。
家族連れの多い回転寿司では全品サビ抜きだそうです。
20代の若年層にもサビ抜き派が多いそうです。

通常の10倍20倍の辛さのカレーも人気という話もここ10年くらいありましたが
それも今はなりを潜めたようです。
料理の味を感じるどころか辛いだけの商品もたくさんありましたからね。
調整するために後で辛さだけ足せるカレー調味料が今は出てますね。

今、経済的な観点から、アメリカのジャパナイゼイションが叫ばれてます。
消費も成長ももたついていることです。

しかし味覚に関しては日本のアメリカナイズが進んでいるような気がするんですよね。
なんか食文化の幼稚化という思いがあります…。

向こうへ行って多くの日本人が口にするのが食べ物が大味だと言うこと。
甘いものは甘い、しょっぱいものはしょっぱい。味がなく感じるものもあったり。
ハーブを使うものも、オレガノが強すぎたり、気休め程度だったり。
慣れた味と違うだけ、という指摘もあるかもしれませんが、
素材の味を感じられるものが少なく感じます。

しょうがやわさびや唐辛子などの隠し味やアクセント、
ネギやしそ、ゴマやみょうがなど、いろいろな風味を添える食事が日本の特徴。
醤油や味噌に代表される発酵食品の伝統もすばらしいし、
素材の味を引き立て、美味さを広げる味付けが多くて、
昔からの智恵が、食べあわせとともに味の文化として息づいています。
海外のほとんどで日本食レストランが一段高い評価を受けるのも納得。

庶民に受けているというより、いろいろなものを食べた少し裕福な人に受ける。
それは何故でしょうね。
値段が高いからとか、素材が珍しいから、ではありません。
いくら裕福でも好みは変りませんから、ゲテモノに位置するものはやはり避ける。
それでもハスやゴボウ、こんにゃくなど、普段食べないものを美味しく提供する。
その智恵に感心する、心の豊かさがあります。

中華やフレンチにもこれは!という工夫がたくさんあります。
日本食もこれに並ぶんでは?と自国を誇りにしちゃいますね。
最近はコリアンもグングン人気が出てますが、
生にんにくや辛さの面で、避ける人もまだ多いと聞きます。
肉の旨みを引出す事には卓越してると思いませんか。

もうひとつ挙げるとしたらやはりイタリアン。
世界で1番メジャーな食べ物ではないかと思うくらい、ピザやパスタは大人気。
トマトベースと魚介類の味そのままを生かした、素晴らしい料理がたくさんありますね。
でもけっこうシンプルなレシピを覚えると、料理を習得するのは意外とカンタン?
そこが人気の秘訣でもあるかもしれません。

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もうひとつ、味覚にも体の成長に合わせて開発されていく段階があること。
最初はもちろん、生きるのに必要なダイレクトなエネルギー源、
炭水化物に代表される甘い味
映画メリーポピンズの歌ではありませんが、甘さはなんでも口どおりよくします。

脂肪が多いことも味をまろやかにする秘訣です。
肉汁や魚の脂身、乳製品の脂肪分が多いほど、リッチでまろやか。
霜降りステーキもマグロのトロもバターたっぷりのケーキも禁断の食べ物。
成人病や肥満さえ心配しないですむなら、ついそればっかり食べたくなります。

それから覚えるのが塩気
甘さに代表される「旨み」を少量で引き立ててくれるのがそもそもの使い方。
しかし白米が主食という習慣から、ついしょっぱさを感じるくらい使いがち。
しょっぱければもっとご飯やパンが進むと言う悪循環になりますよね。
これも成長期にはへっちゃら。どんどん代謝していきますがオトナにはどうでしょ。

そして酸味
ここからが成長が伺えるところ。
小さな頃のオレンジジュースの酸っぱさは甘さに覆われたもの。
果糖のダイレクトアタックには太刀打ちできません。
ところがサラダドレッシングやマリネ、酢飯などに感じる酸っぱさは、
疲れた体には嬉しいもの。体が成長してから心地よくなるものです。
字のごとく酸というのはピリっとした刺激をもたらします。

料理が腐るときに放つ味も酸っぱさ。
しかし酸による刺激と発酵臭と腐敗臭は大きく違います。
本来は危険信号にもなりうるものが心地よいのは、
それによって活性化される細胞がたくさんあるからです。
この酸味をうまく取り続けることは、脳への刺激を促進し、
細胞の活性化が進むため、よく酸味は若さの秘訣と言われるのでしょう。

それから辛味。これは味覚に入らないと言う人もいますが、
とても大事な刺激だと思います。
少量のピリピリ感やつんと来るわさびの刺激は塩味に代わる大事な引立て役。
ただ、ラスプーチンの毒と同じで、慣れてくるとエスカレートします。
感覚が鈍るくらい麻痺を起こすからです。先にあげたカレーの辛さもそう。
本来なら様々な香辛料によって得られる爽やかさを辛さの刺激で得る。
その場合、ほとんどは唐辛子です。

最後に来るのが苦味
コーヒーやゴーヤ、鮎の苦味。
ついでに言えばタバコやビールの味も初めての時は苦いと思います。
これこそオトナになり、慣れてこないとその良さがわからないもの。
よほど甘くしない限り、好き好んで食す子どもはいませんよね?
これも他の味の引立て役。

後の3つは程よく調整された飲み物や食べ物でそのよさを知ります。
味覚の発達は一生ではありません。
人生のある時期に大きく発達し、細かな匂いや味の違いを習得するそうです。
いわば音楽の才能と同じ。
聴覚と味覚は違うと思うかもしれませんが、どちらも脳に司られています。
演奏は上達するかもしれませんが、音を聞き分ける能力や表現力は?

味覚に関しても子どもの頃の Do と Don't があります。
繊細な舌に刺激物を与えすぎて、大味になったり、濃い味好みになるだけでなく、
本来の素材の味の良さがわからなくなるような育て方は、味覚を鈍らせます。
それはそのまま、自分が今必要なものかどうかの判断力も鈍らせることになるかも。

もうひとつは、精神的な発達というか成熟も味覚に表れます。
いろいろな経験と、柔軟な考え方がこの3つの味覚の好みでわかります。
本来すべて楽しめるように出来ている味が楽しめない。
それは今の健康状態が悪いか、頭で拒否しているからです。
怖れをサバ折り」でも言いましたが、
その味に関する原始的な危険信号を克服する機会を持たないまま、
今に至ってるのかもしれません。
無理して好きになる必要はありませんが、これが嵩じれば好き嫌いの激しさ、
栄養も偏ってくるかもしれません。
人が心をこめて作ってくれたものが楽しめず、
足りないものをサプリで代用するだけというのは、ちょっと寂しい。

料理に隠されたちょっとした風味や刺激を楽しむことはオトナの特権。
人間的な成長にまで議論が発展する味覚の成長度合。
生活や文化を豊かにするのに実はけっこう大事なことではないかと思うのは、
食いしん坊のワシの自己弁護でしょうか:p

長々と読んでいただいてありがとうございました~!