2つしかない砂地のバローロ | ワインインポーターのテラヴェールのブログ

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フランスやイタリアのワインの造り手の情報をお伝えします。

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新年明けてすぐのネッビオーロ試飲会。

多くの皆様にご参加頂きました。有難うございました。


クアトロ・エレメンティとしての初めての取り組みとなりました。


クアトロ・エレメンティとは・・・

インポーターの垣根無しに、本物のイタリアワインを広めていくことを目的にAVICOの阿掛さん、ワインウェーブ土橋さんが中心となり立ち上がりました。今後、本物のイタリアワインをソムリエの皆様、小売店様、そしてワイン愛好家の皆様にも啓蒙していくつもりです。フーデックスにも出展致します。皆様、ぜひ、クアトロ・エレメンティのブースにお立ち寄りください。

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さて、ネッビオーロについて。

ネッビオーロは数少ない土壌個性をしっかりとワインに反映させる品種と言われます。ピノ・ノワール同様に土壌、気候、日照、水はけ、樹齢の影響を受けます。そんな神経質な品種でありながら、今まで、土壌について全く語られることがなかったのは驚きではないでしょうか?

ネッビオーロと言えば、バローロ、バルバレスコを擁するランゲ地方。

土壌は北ピエモンテよりも比較的若く、石灰含有量はところどころ違うものの、そのほとんどが粘土質です。バローロで言えば9割9分が粘土質土壌と言ってよいでしょう。よってバローロの個性は土壌個性と言うよりも、標高や微気候の影響が大きいようです。

おおらかで柔らかいバローロ村

(G.D.ヴァイラ)、

エレガントで上質な絹のような舌触りのラ・モッラ

(マリオ・マレンゴ)、

厳格で引き締まった構成のセッラルンガ・ダルバ

(プリンチピアーノ)、

間を取ったようにバランス感のあるカスティリオーネ・ファレット

(カヴァロット)

といった感じでしょうか。


そんなバローロにも2箇所だけ砂質土壌の畑があります。

1つが、大御所カペッラーノの所有する一部の畑。



そして、もう1つがロアーニャが所有するロッカ・エ・ラ・ピラ。

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砂質土壌のネッビオーロは香の豊かさが特徴。

しかし、最も大切なことは”自根”であること。1800年代にアメリカからヨーロッパに伝わったフィロキセラによってイタリアだけでなく、ヨーロッパ中の葡萄のほとんどが死滅した訳です。その後、アメリカ産の台木に接木することで一応の回復を見せるわけですが、ヨーロッパ全土の葡萄は、ネッビオーロも含めて根っこはアメリカ産なのです。100%オリジナルのネッビオーロではないのです。

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(樹齢100年/ロッカ・エ・ラ・ピラのネッビオーロ)

しかし、フィロキセラは火山灰や砂の中を進むことはできないらしく、砂地の葡萄畑や火山灰に囲まれた畑などでは100%オリジナルのヨーロッパ品種が残っているのです。フランスから近く、粘土質のバローロではフィロキセラによって全滅しましたがカッペラーノとロアーニャが所有するロッカ・エ・ラ・ピラにはフィロキセラにやられていない、アメリカ産の台木でない、100%オリジナルのネッビオーロが残っているのです。イタリアを代表する葡萄、ネッビオーロの根っこがアメリカ産だなんて、考えたくもない話ですが、事実なのです。

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(プロヴィナージュで保存)

では、自根のネッビオーロは味わいに何か個性を与えるのでしょうか?

これは皆様、ぜひ体験して頂きたいのですが、明らかに奥行きが違います。ロアーニャのワインは非常に不安定なところもあり、その時々で大きく表情を変えてしまいますが、黒果実系の香ではなく、タバコ、リコリス、香草系の香が主体であり、凝縮度よりも繊細さを感じさせます。決して濃厚な目の詰まった液体ではないのですが、実は要素が詰まっている。薄い色調で、一見物足りなささえ感じさせるが、日本の出汁のようにしっかりと味の濃さ、強さを秘めているのです。この奥ゆかしさ、上品さがヨーロッパ品種の本来の個性なのでしょう。

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(さらさらとした砂質土壌)
この大きな違いを体験してしまえば、ネッビオーロのイメージがまた少し違ってくるはずです。ブルゴーニュの昔のワインを飲んでいるようだ、とはフレンチの某有名ソムリエの言葉。ヨーロッパのエレガンスを感じることのできる数少ない自根のネッビオーロ、お試しください。


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