多くの造り手が口を揃えて
『アルド・ヴァイラは醸造家、そして人間として尊敬する』と。
春にアルド・ヴァイラとミレーナ婦人とゆっくり食事をする機会がありましたが、その意味が本当に良く解りました。敬謙なクリスチャンであり、1代でG.Dヴァイラをここまで素晴らしいワイナリーに育て上げた醸造家。穏やかな口調で決して大きなことを言わない。しかし、醸造への拘りは異常なまでで、解りやすく丁寧にゆっくりと教えてくれる。
(とても仲の良い夫婦)
『2010年のバローロは120種類の醸造方法で対処した。』
葡萄の状態、そしてクリュごとに若干の違いが出てくるそうで、更には今後更に進化していく為に少しずつ醸造方法を変えて試しているのだそう。アルド氏は息子ジュゼッペと共に今も進化を遂げているのです。その土地にあった醸造をすることで葡萄、そしてテロワールを最大限引き出す、これがアルド・ヴァイラの考え方。
アルド・ヴァイラの歴史は平坦な道ではなかったのだそう。
お父さんはワイン造りに関わらず街で働いていた為、アルドはおじいさんから0.3haの畑を相続したのだそう。勿論、その時点ではワイナリーもなく、樽や発酵槽も持っていなかったのだそう。『0.3haの畑と樽材をつなぐ金具しかなかったんだ』なんとかワイン造りを開始したが、運悪く、歴史に残る1986年のピエモンテ大雹害に遭遇する。
『80年代、イタリアは大不況であった。それに加えて雹にすべての畑をやられた。収穫できた葡萄は1粒も無かった。もうワイン造りは諦めようと本気で考えたよ。』
周りの造り手がワイン造りを諦め街に出て行く中、アルドはワイン造りを諦められず仲間達が売りに出した素晴らしい畑を最安値で買い集めることにしたのだそう。
『その時思ったんだ。大変な時期は誰にも巡ってくる。本当にワイン造りが好きならばこれを乗り越えなくてはいけないんではないか、と。』
これによってアルドはブリッコ・デレ・ヴィオーレ、フォッサーティ、レコステと素晴らしい畑を手に入れ、一気に質を高めていくこととなる。
アルド氏のワイン造りを的確に表す言葉があったのでご紹介します。
『りんごジュースはりんごの味がするでしょう?ワインも葡萄の味がしなくてはいけない。若いうちも何か別の風味があってはいけないし、熟成しても葡萄の存在がなくてはいけない。だから最高の状態の果実を適切で安全な方法でワインに仕上げることを重要視している。』
美味しいのは当たり前であって葡萄の力だけで美味しくならなければいけない。そして、バクテリアやカビからはできる限り自然な方法でしっかり対処しなくてはいけないと言っていました。
(収穫前のネッビオーロ・ミケ)
ネッビオーロについては…
『ネッビオーロは偉大な葡萄だが粒が大きい。そしてカベルネやメルローが果汁内にもアントシアニンを含んでいるのに対してネッビオーロは果皮にしかアントシアニンや他の色々な香味要素を含んでいない。よって果皮をしっかりと利用しながら発酵させないといけない。発酵槽の中で一部が発酵してしまうことなく、健全に果皮とのある程度の接触を行いながら発酵させることが最も重要。』
『ロータリーファーメンターなどで短期間で発酵させるのも良くない。4,5日間のマセラシオンではワインは平坦なものになってしまう。上品さも出てこない。』
(発酵槽内:櫂入れを1日2回程度)
僕たちも含め、多くのソムリエさんがヴァイラのバローロ・ブリッコ・デレ・ヴィオーレをバローロの基本と認識していることは納得できます。近年のブリッコ・デレ・ヴィオーレは更に純度が上がっています。輪郭のしっかりしたバローロ。ぜひお試しください。
そして隠れた名品がランゲ・ビアンコ。
リースリングから造られるワインですが、ピエモンテにリースリングを持ち込んだのはヴァイラ。今ではチェレットはじめ14もの造り手が手掛けていますが当時は全く売れなかったそうです。醸造学校在学中にリースリングと出会い、その黒葡萄にも負けない複雑味に驚いたのだそう。のめりこみ、卒論は白ワインにおけるマロラクティック発酵としたのだそう。
2004年、小石が多く存在し、石灰比率が高く、地中深くには岩盤が通っている畑が売りにでた為、即購入。古くからの友人であるマルセル・ダイスに依頼し、彼の畑から無作為に抽出したリースリングとドイツから取り寄せたリースリングを植樹。ダイスとアルドは『色々なクローンを混植し、樹齢を高めていかないと本当の複雑味は出てこないという意見で一致しており、100年以上の区画から選んだという。
コフェレルホーフのリースリングが”果実の凝縮”ならばヴァイラのリースリングは”果皮のエレガンス”でしょうか。リースリング特有の香を強烈に放ち、熟成と共にあの艶かしさが出てきます。こちらもぜひお試しください。
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