たった1週間でギターが驚くほど上達する基礎トレーニング | ギター教室 テラーニ学院
2016-03-22 03:08:59

たった1週間でギターが驚くほど上達する基礎トレーニング

テーマ:ブログ


■いもむし

超定番の基礎練習。

実は単に1234と弾いていくだけの簡単な練習ではありません。

以下の3点に注意しながら弾くと、上級者でもかなりの手応えを感じるはずです。

1つ目はフレットのギリギリを押さえる。例えば1フレットを押さえる時、0フレットから1フレットの間ならどこを押さえても確かに1フレットの音は出ますが、出来る限り1フレット寄りを押さえた方が音もシッカリ出るし、単純にトレーニングとしてキツくなるのでオススメです。

2つ目。出来る限りレガートに。といってもギター奏法としてのレガートではなく、音楽用語としての本来の「レガート」の意味です。次の音を出すギリギリのところまで伸ばす。前の音を早めに切り上げて移動すれば簡単ですが、それでは練習になりません。出来る限り音を伸ばして美しく滑らかにメロディを弾くために、最高に効率の良い運指を常に考える癖をつけましょう。

3つ目。無駄な押弦をしない。例えば1フレットを弾いた後に2フレットを弾く場合、2フレットを弾いた瞬間にもう1フレットは放している。という風にして下さい。一部の教則本などでは逆に次にその指を使うまでずっと押さえておくというようなことが書かれている場合がありますが、無駄なので使ってない指は放して指板から1~2cm以内の場所に待機ましょう。

ただし、すべてのポイントについて言えることですが、これらを気にするのは基礎練習の時だけでOKです。実際に曲を弾く時は音が普通に出てれいばそれでいので、とにかくスムーズな運指を優先しましょう。


■HO

ハンマリングオンだけにフォーカスした練習。

TABで見ると単に1212と弾いていく簡単な動きですが、これを【1】人差し指と中指、【2】中指と薬指、【3】薬指と小指、【4】人差し指と薬指、【5】中指と小指、【6】人差し指と小指、 の計6パターンの指使いで行います。

実際、普通に楽曲の練習をしていると、【2】中指と薬指 や【5】中指と小指 のパターンはあまり出て来ませんが、だからこそ、その部分が弱点として自分の中に残っていて、たまにその運指を余儀なくされた時に見事に躓きます。

また、例えば中指と薬指を別々に動かすことが出来ないという弱点が原因で、直接その指を使っていないフレーズにも悪影響がある場合が結構あります。

今のところまだ弱点として浮き出して来ていないような隠れた弱点を基礎練習で前もって克服しておきましょう。


■PO

プリングオフに特化した練習。

単純な動きですが、中指や薬指で力強くプリングオフするのは意外と難しいので、ハンマリングの練習と合わせて、こちらも念入りにやりましょう。

よく小指が弱点だと言う人がいますが、小指は一番外側についていてそれ以上外側に指はありません。条件としては人差し指と全く同じで、実はかなり自由に動きます。

コップを持つ時に小指が立っている人がいますが、自然にあのようなカタチになってしまうぐらい自由に動くのが小指ですから、小指に苦手意識を持っている人は、本当にそれが自分の弱点なのかどうか、冷静に見直してみるのも良いでしょう。

ちなみに、本当に弱点として多いのは、中指と薬指です。中指は人差し指と薬指に挟まれていて、薬指は中指と小指に挟まれています。両側に指がついていてそれぞれに影響を受けるため、かなり動かしにくいため、中指と薬指は弱点になりやすい。

といっても、人差し指を動かす時も小指を動かす時も、中指や薬指など使っていない指には「動かない」という立派な役割があるので、結局、何を弾く時も全ての指を自由自在に操れている必要があります。

弱点を決めつけず、まんべんなく基礎練習をしましょう。


■3音上昇下降

3段上っては1段下がって、そこからまた3段上って1段下がって…これを繰り返す単純な動きです。ひとつ、ルールとして1弦につき3つずつ音をとっていきます。

パッと見た感じ運指の練習に思えますが、実はピッキングに重きを置いた練習。

ピッキングの大まかな分類としてはダウンとアップしかありませんが、これはコンビネーションの練習になっています。

例えば6弦をダウンピッキングした後に5弦をアップピッキングすることを「アウトサイドピッキング」と言います。また、6弦をアップピッキングした後に5弦をダウンピッキングすることを「インサイドピッキング」と言って、ピッキングのコンビネーションは原則としてこの2種類しかありません。

※ただし、6弦をダウンピッキングした後にそのままの動きで5弦をダウンピッキングする「エコノミーピッキング」というのもがありますが、そのような特別な名前が付いているぐらいなので、エコノミーは例外だと思っておいてください

B'zの曲を弾いているとインサイドピッキングがたくさん出て来るので、私はアウトサイドピッキングが苦手です。同じようにB'zが好きでアウトサイドが苦手な人は多いはず。

このような弱点を見つけた時、今までの練習が全て無駄になったかのように嘆く人がいますが、そうではなく、弱点とは伸びシロです。

95点のインサイドピッキングを100点満点に持って行くには果てしない努力が必要ですが、0点のアウトサイドピッキングを70点ぐらいにするのは簡単です。

自分の弱点を見つけたら喜んで練習しましょう。


■4音上昇下降

ドレミファと4段上って、次にレミファソ、その次はミファソラ、と言った具合に、4段階段のスタート地点が1段ずつ上がって行く単純な動きです。

ここでも3音上昇下降と同じように、1弦につき3つずつ音をとっていきます。

やはりピッキングのコンビネーションの練習であることに変わりはないですが、4段上った時点ですでに弦移動が1回入ってきますから、こちらの方が弦移動の回数が多くて難しめ。

五線譜の左端を見てもわかるように、シャープがひとつも付いていない一番わかりやすいキーCの、いわゆる普通のドレミファソラシドでやっています。

これを他のキーでやってもいいですし、今まさに練習中の曲や耳コピ中の曲などがあれば、その曲キーでやっておくと思わぬ収穫があるかも知れません。


■固定いもむし

超定番の「いもむし」を3本の指で行う練習。ただし、使っていない1本の指を1弦に固定した状態で行うので、かなり動きが制限されます。

ギターを弾いているとまず指を速く動かそうと頑張るのが普通ですが「指を動かさない」ことも立派なコントロールの練習で、見落としがちな分そこが弱点になっている人は多いです。

私も最初にこの練習をやり始めた時、すでにB'zを完コピしていてかなり自信がありましたが、全然思う通りに指が動かなくて驚きました。

慣れないうちは物凄く難しいので、プツプツと音が途切れてしまいがちですが、少し慣れてきたら頑張ってレガートに(ギリギリまで音を伸ばして)弾くように心がけてください。

これがバッチリできるようになった人は、1本の指を固定した状態でHOやPOの練習をしてみるのも良いでしょう。

基礎練習というのは曲中であまり使わないような慣れない動きをすることに大きな意味がありますから、定番の基礎練習に慣れ切って流暢に出来るようになったらあまり意味がなくなります。

そういう時には自分のオリジナル練習を考えて、慣れない動きの難しい基礎練習を取り戻しましょう。


■2本固定

2本の指を固定して、残り2本の指を同時に動かす。これは本当に難しい究極といってもいい基礎練習。

最初は本当にびっくりするぐらい全く指が動かなかったり、思っているのと違う指が勝手に動いたりしますが、人体の不思議だと思ってあまり悔しがらずに気長にやりましょう。

といっても、毎日1回やっていれば1~2週間ほどで慣れてきます。

これは本来ジャズギターやクラシックギターなどで複雑なフォームのコードを沢山弾いていると自然と身に付いてくる「複数の指をパッと同時に動かす能力」を無理矢理身に付けるための練習です。

何年もかかって身に付ける特殊な能力を短期間で無理矢理身に付けるので、ムキになってやり過ぎると手首を痛めることもあります。短期間で一気にやろうとせず、毎日少しずつコツコツやり続けましょう。

この練習で是非とも効率の良い素晴らしいフォームを手に入れてください。