首都圏以外の初めての古書探訪の地は、名古屋。


今回の戦果は以下。


『動物渡来物語』 高島春雄 1,000円


あじさい堂書店の棚から。

高島春雄の代表作の本書は昭和30年の学風書院版を時たま見かけるが、最初に出された昭和22年の日本出版社版はなかなか見かけない。その日本出版社版が手に入っただけで、足を運んだ価値があったと言えるだろう。


両方の違いについて、学風書院のまえがき、で述べている通り、誤植の修正、横組から縦組への変更、口絵の追加などに加え、本の厚さを見て分かる通り、新章の追加し、大幅な加筆が加えられている。具体的にはインドゾウ、ラクダ、サイ、バク、河馬、野牛(バイスン)、四不像盛衰史の記述が追加され、巻末に著名動物輸入表が新たに付されている。


そしてもう一冊の入手本も、高島春雄の著作。

『季節の動物、話題の動物』 500円

これは裸本だったので、安かったのだろう。

この2冊を入手した後、駅に戻る途中に見かけた古本屋の山里書店にふらりと立ち寄って、見つけた一冊を手に取る。


『仙台附近の鳥』 熊谷三郎 600円


著者の熊谷は、今は忘れさられた、という表現が相応しいかもしれないが、在原業平が詠んだ都鳥がユリカモメを指している、と最初に指摘した人物である。


以上、3冊を入手して、初の名古屋古本行脚を終えたが、高島春雄の代表作の原板を手入れられたことは嬉しい。