これは
天然の岩絵具で
とりわけ群青色に魅せられた
日本画の作家が
ギリシャの
遺跡を歩いて
描いた作品
夜から暁へ向かう時間
そんな風景なのだろうか
墨絵のような
幽玄な感覚が横溢する
でも
ギリシャというと
わたしには
真昼の時間の
白い壁と碧い海のほうが
つよい印象があるが
こういう絵を見ていると
行ったことがないのに
ギリシャ既視感みたいな
気持ちになるのが不思議だ
明け方や
真昼
イメージのなかの
ギリシャへ
充分に
旅の気分を味わえる
いい時間だった
絵を見ながら
行ったことがないのに
異国を歩く気分
こういう想像の旅が
きっかけで
気がついたら
飛行機のチケット買ってたよ
なんて
身軽だったあのときは
そういうの
なんども
あったけれど
今はそんな行動力が
なくなってしまった
なんてことも
思ったり
でもね
ここにいて
思いははるかな
異国の空にさまよい
真夏のギリシャを想う
そういう旅も
寒い冬の日には
あり
ですよね
２０２４．２．２５