森絵都さんの「みかづき」を読みました。


ドラマで放送もされているようですね。

たまには分厚い本が読みたいな…

と思い本屋さんに入ったところ、

入り口近くに平積みにされていたこの本が目に止まりました。

タイトルから、全くどんなストーリーか想像がつかなかったのですが、

読んでいる間にズンズン引き込まれていきました。

これは単なる塾教師の波乱万丈ドラマではありません。

日本の教育史としても

育児本としても

参考になる本です。

「みかづき」は昭和30年代の受験戦争時代からゆとり教育、生きる力へと、教育のあり方が変わっていく様子を描いています。

私自身はまさに「受験戦争」時代に中学受験をし、

長女はゆとり教育世代

次女はゆとり教育の反動を受けて「生きる力」とか「グローバル」などと言われている世代

共感することも多く、

また、「そういうことだったのか…」と教育の背景を知ることもできました。

「みかづき」は昭和の戦後の文部省の話から、現在の教育格差まで取り上げています。

「グローバル」社会のために、海外留学は当たり前と言っている富裕層家庭の子供と、中学卒業したら生活のために就職しなければいけない子供たちとの教育格差

子供の貧困。

大学には行けたけれど、卒業後奨学金の返済に追われている社会人…。

難関校に進学する子と、学校の授業にすら追いついていけない子

発達障害 気づかれず生きづらさをかんじている子

社会を見渡せば、まだまだ取り上げるべき課題の多い教育分野。

「教育」に関心のある方にお勧めしたい一冊です。

また、この物語は、シングルマザー、ステップファミリー、不倫、国際婚、仮面夫婦、起業など、今の時代の社会を映す様々な要素も含んでいます。

そこも、この小説の興味深いところ。

久しぶりに、読み応えのある本に巡り会えましたウインク