オバマ米大統領の広島演説や被爆された方との対面は、歴史的な一幕だった。

 

スピーチの上手さは然ることながら、そのあとの被爆された方との対面に注目。

 


スピーチを終えて、まっすぐに日本被団協の代表委員・坪井直さんに歩み寄り、手を差し出し、固い握手を交わす。

 

この光景を見て、私は、被爆されたの方々や家族の皆さんの気持ちを想像する。

 

 

今、この瞬間をどう捉えているのだろう。

 

 

長年の憎しみは、消えるはずがない。

 

 

原爆を体験していない私たちと、被爆された方達では、全く捉え方が異なる。

 

 

やすやすと「よかったよかった」ではないはずだ。

 

 

テレビを見ていて、オバマ氏と代表委員のやり取りは聞こえない。

 

 

しかし、二人の差し出した手は硬く握られたまま。

 

 

お互いに目を見つめ合っている。

 

 

続いて、被爆された森重昭さんが涙を流すと、オバマ氏は抱き寄せるように背中をさすった。

 

 

 

翌日のNHKの番組で、坪井さんと被爆された方達が語っていた。

 

 

 

「オバマさんと私たちは核廃絶という同じ目標に向かう」

 

 

「オバマさんなら大統領を辞めた後も核廃絶に向けてやってくれる」

 

 

「オバマさんが広島に来てくれて、本当にありがたい。」

 

 

 

原爆に対する恨みや憎しみは変わらずとも、

 

 

 

オバマ氏の訪問を前向きに受け止めている発言を聞いた後、

 

 

改めて、オバマ氏と坪井さんの握手の映像を見る。

 

 

「よかった・・・」

 

 

一日たって、被爆者の方達の声を聴いて、再び同じ映像を見ながら涙が溢れた。

 

 

しっかりと握られている手からは、言葉だけでは伝わらない、オバマ氏の人間としての生の感情が伝わっていたのだ。