震災からまもなく4年。



『生きてやろうじゃないの! 79歳・母と息子の震災日記』(武澤順子・武澤忠 著 青志社)を読み返す。


順子さんは震災の3か月前に、ご主人が急逝し、その悲しみの中にいるときに被災してしまう。


79歳で、夫に先立たれ、

どれほど辛かっただろう・・・。

どれほど寂しかっただろう・・・。

どれほど不安だっただろう・・・。


そして追い打ちをかけるように被災し、家を失う。


「いつ死んでもいい」と絶望の淵にいた順子さん。


それでも残った自分が何とかしなければと立ち上がっていく。


何度読んでも、順子さんの詩、順子さんの言葉が、

文字を伝わって、ひしひしと心の奥に沁みこんでくる。



先日、この本の著者である武澤ディレクターから、

日本テレビで2012年3月に放送された

「リアル×ワールド ディレクター被災地へ帰る 母と僕の震災365日」

のDVDをお借りすることができた。


映像には震災の爪痕

変わり果てた順子さんのご自宅周辺

解体されていくご自宅が映し出される(福島県相馬市)。


長年住み慣れた家、

夫との思い出、家族の思い出の家が

無残にも目の前で取り壊されていく。


その時の順子さん、忠さんの心中を察すると

涙の他、何も出ない。


79歳という年齢で迎えた

ご主人の死、家の取り壊し、これからの一人暮らし・・・


これらの困難をのりこえるまで

どれほどの苦悩と葛藤があったか・・・。


再び立ち上がる順子さんのことば

「生きてやろうじゃないの!」


カメラに向かって見せた笑顔は本物だった。

強くて、凛としていて、潔くて・・・。


「大切なのは『今まで』ではなく『これから』」


常に前向きに生きる順子さん。


順子さんの発する言葉は、心から発するもので、


自然であり、私の心に沁みわたる。


その時々の想いが、日記で綴られていく。


勇気を与えてくれる心の詩である。


ここでは紹介できないので、是非本を手に取って読んでほしい。


私もいろいろあったが、順子さんの経験したことに比べれば、

ちっぽけなこと。


順子さんの笑顔に、そして生き方に、

どれほど勇気づけられたことか。


79歳に比べれば、53歳の私はまだまだ(笑)


私もこれからの人生、

「やってやろうじゃないの!」



武澤順子さん、勇気と希望をありがとうございます。

武澤ディレクター、感動をありがとう!