今冬期の豪雪被害は、ゲリラ豪雪とも言える突発的かつ集中的な降雪により、日本海側を中心として、山間部・平野部を問わず極めて広範な地域で発生している。それぞれの地域でどのような問題が起きているのか、今後、豪雪に対してどのような対応が求められるのかを確認するために、新潟県と秋田県とで豪雪被害の現状視察と関係各者との意見交換をおこなった。
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2月17日、新潟県南魚沼市と長岡市山古志地区(旧・山古志村)を訪問した。南魚沼市での積雪量は2m40cm。これでも、ここ数日続いた温暖な天候によって減ってきたと言う。
同地の積雪は他と比べても重量があり(雪密度0.3g/立方cm。本州の平均0.1g/立方cm)、道路脇には人の身長をはるかに超えて電線の高さにまで到達するほどの雪の壁が延々と続いている。
それぞれの家庭では、今年に入ってから屋根の雪下ろしを3~4回はおこなっているとのこと。しかしその一方で、スキー産業が華やかなりしころに建てられ、その後の衰退により空き家になっているペンションや、家主が亡くなった後に相続がなされず、そのままの形で放置されている民家では、膨大な雪が屋根に残っている。
近隣住民のボランティアにより雪下ろしをおこなっているとのことだが、今後もこうした危険家屋が増えていくであろう状況を考えれば、自治体側で取り壊し等も含めた強制措置ができるような法制度の整備も必要であろう。
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2月20日、秋田県の横手市を訪問した。地元でもあり、状況は十分理解していたものの、やはり今年の積雪は例年とくらべてもかなり多い。もともと横手市は全国有数の豪雪地として知られているが、市街地の状況と郊外の状況とでは大きく様子が異なっている。
郊外では排雪場所が十分に確保されているため、道路や住宅敷地内はきれいに除雪されているが、市街地では排雪場所が少なく、家屋間が隣接していることから、住宅周りに雪が堆積し、まさに家が埋もれている状況にある。また排雪場所がなければ、住宅敷地内に残された雪が道路にも浸食していくため、道路幅が狭くなり、緊急車両の通行等にも支障をきたしかねない。
市内道路の3割超が幅4m未満の狭い道路であり、限られた予算の中で除雪すべき道路の優先順位をつけていかなければならないなか、今年度は4m道路でも最低2回は排雪をおこなっているとのことである。
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南魚沼市、横手市、それぞれとの意見交換では、国に対する要望として除雪対策費に関する財政支援が挙げられた。すでに政府では、昨日21日に開催された大雪に関する関係閣僚会議で「平成24年大雪対策」をとりまとめ、豪雪被害が出ている市町村に対し財政支援をおこなう旨を公表している。関係する各府省が可能な限り迅速に対応することを強く期待したい。
また、今回視察をおこなった双方の自治体では、地元消防団や社会福祉協議会・民生委員と連携しながらの除雪体制を確立しており、効果的・効率的に除雪作業をおこなっているということも確認することができた。2月8日の総務委員会 でも取り上げているが、国は財政支援に留まるのではなく、こうした現場での経験やノウハウを全国規模に広げていくことも必要であろうと考える。
【東京秘書・秋田秘書】
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