10月29日、秋田県横手市で開催されている秋田県種苗交換会(10/29~11/4) に参加しました。秋田県最大の農業イベントであり、明治時代から回を重ねること134回目の開催となります。


 当日はメイン行事である農産物出品展示会場を訪ねて、関係の皆様からお話を伺いました。米・果実・野菜・花きなど、二千点を超える様々な農産物は、いずれも大地の恵みに感謝したくなる素晴らしいものばかりでした。


 しかしその一方で、それぞれの農産物は、商品として何が優れているのか、値段に見合うだけの「売り」を、消費者にうまくアピールできているのだろうか、ということが気になりました。


 秋田には安全で良質な(農)産物がたくさんあります。しかし、市場に対する働きかけや売り込みなどの“推しの力”が弱いように思います。生産者や売り手の方々のなかには、なぜこの値段なのかということを十分理解して、お客様に商品の魅力を伝えることが難しい人もいるのではないでしょうか。


 高い付加価値のある農産物のほとんどは「多品種を少量生産」が前提で、普通の農産物に比べると値段が高くなってしまいがちです。


 “品質”は、誰の目にも分かり易い“値段”と違い、うまく伝える努力をしなければ、消費者の心には響きにくいものです。その意味で、マーケティング活動は特に重要だと思います。


 TPP交渉への参加を巡っては、日本の農業がつぶれてしまうのではないかなど、色々な議論や懸念が取り沙汰されていますが、グローバル化が進んでいる今、貿易の自由化は避けては通れないと考えています。


 そのためにも、今の農業に必要なのは、生産者と行政が連携し、マーケティングや、生産者と消費者のつながりを強めながら、数年先を見据えて、積極的に外に向かって打って出ていくことではないでしょうか。