8/29、民主党代表選が行われ、野田佳彦財務大臣が新代表として選出された。結局のところ「何をやるか」という政策論議ではなく、「誰がやるか」のいす取りゲーム、かつ、親小沢か脱小沢かの間で「誰とやるか」の党内の権力争いに終始した代表選だった、という印象が強い。その中で、これからの政策運営をどうするかを比較的明確に説明をし、怨念を超えた政治を標榜した野田氏が選出されたのは、ある意味順当な結果なのではないだろうか。


 明日の両院本会議で首班指名があり、その後に新政権が発足することとなるが、野田新代表には2つの意味でのガバナンスの発揮を期待したい。まず1つは「民主党内のガバナンス」である。これまでのように、党内における不毛な権力闘争を国政の場に持ち込んでほしくない。もう1つは「行政・官僚機構のガバナンス」である。民主党政権の政治主導・脱官僚というスローガンにより削がれた国家公務員のやる気を回復する必要がある。


 震災復旧・復興、行財政改革、経済対策等、政治・行政が対峙すべき政策課題は山積している。巷では、野田氏は大連立に肯定的だと言われているが、連立するかしないかはあくまで手段でしかない。まさに「何をするか」が重要なのだ。