6月29日、キューバ大使館・パナマ大使館共催のチャリティー行事に参加してきた。私にとって初めての経験の東京湾洋上クルーズだった。同乗した人の話では、普段の東京湾はもっと灯りがあって明るくて綺麗だとのことだったが、それでも充分に明るく美しく感じられた。


 福島県から立谷相馬市長がお見えになられ、ご挨拶されたなかで、皆様からの御厚意は震災遺児たちの育英資金に充てていくとのお話があった。


 ところで、毎日のごとく福島原発事故をはじめとした原子力発電関連のニュースがとりあげられている。


 原子力発電は国家的なプロジェクトで、経済をはじめとした国家の発展のため、という大義があろうとも、このような大事故が起きたという事実を、これまで原子力発電に関わってきた方々はどのようにお考えになっているのだろうか?


 その方々を非難・糾弾するつもりはない。しかし、これまで強力に原子力を推進してきた政治家、官僚、経済界・電力会社、学界・研究者・・・は、こんなに大きな人災を起こしてしまったことについて、何故、率直な気持ちで国民に対し、自らの非を認め、情報開示しないのか。


 経済界などの多くは、原子力発電は日本の発展に必要だと言う。電力会社の株主総会では、脱原発の株主提案が否決され、原子力発電事業を続けるとしている。


 地震国・日本は昔から、ナマズの上に乗っていると言われている。そんな不安定な国土の上に原発は建っているのだ。仮に、稼働中の原発を今回規模のような地震が襲ったら、果たしてどれだけの原発が無事で済むだろうか?


 原子力発電によって生ずる大量の核燃料廃棄物の処理の問題も、また、多額の予算を注ぎ込んでいるプルサーマル計画も、見通しが立っていないのに、未だ懲りずに、この先原子力発電を続けるのか? もうそろそろ国民に対し、原子力依存の兜を脱ぐ時ではないのか? と私は言いたい。


 広島・長崎に投下された原子爆弾によって、日本はあの悲惨な戦争をやっと終わらせた。今回の甚大な事故が、原子力発電という危険極まりないエネルギーをやめる契機になればと強く願う。後始末も出来ない原子力発電をこれ以上続けることには無理がある。原子力に関わる方々の英断を期待したい。



参議院議員 寺田典城 オフィシャルブログ Powered by Ameba-ナマズと兜