児童養護施設で話を伺った。


 入所して間もない頃、周りの人がどこまで信頼できる人なのか、自分を本当に受け入れてくれる人なのか試すように、職員を困らせる問題行動(試し行動)をする児童もいる。


 隣で小さな子の遊び相手をしていた高校生くらいの子も、試し行動で職員を困らせたそうだ。ぱっと見た感じではとても信じられない。養育する人が、子どもにとっていかに大事なことか、改めて認識した。


  親には、子の身上を監督・保護し、育成する権利と義務(子の監護義務)がある(民法第820条)。かつては親と死別して入所する児童が多かったが、今では虐待を受けて親から離れざるを得なくなった児童が過半数を超えている。


  実の親から虐待を受けたとあっては、新しい環境への不安、新たに出会う人への不信も大きいと思う。そんな子どもたちが、周りの人々に支えられ、成長していく。これから先も、不安を抱かずに、すくすくと大きく成長していただきたいと心に沁みた一日であった。