今、NHKのスペシャルドラマで放映されており愉しんで観ている。あの頃は、皆が夢や希望を持ち、坂を登って行く佳き時代だった。


 今から30年ほど前のイラン革命の頃に、中東のクウェート等を訪問したことがあるが、当時のクウェートの王族の方々からは

「日本()は凄い。ロシアと戦って勝っている。」

と言われた。

 日本がロシアに勝った時代。『坂の上の雲』に描かれた時代は、日本が列強各国から認められ、成長を遂げて行った、ひとつの黎明期であったと思う。


 ところが、1941年のちょうど昨日(128)。日本は勝ち目の無い戦争を始めて破れ、国民は世界で唯一、戦争を放棄することを掲げて、“国破れて山河在り”の焼け野原の中から驚異的な復興を遂げ、1985年当時には

JAPAN as 1」
と言われるほどの、世界で一番の経済大国となった。
目立った資源もない東洋の小国がこれ程の成長を遂げたのは、それこそギリシャ神話か天地創造のようなアメイジング(amazing)なことだろう。


 ところがピークを迎えた日本()は、1991年のバブル崩壊以後、自ら坂を登る力も弱まり、足踏みしている。この国はどうなってしまうのだろうと心配している。世界からも同様に思われている。


 時代は変わり、グローバルな社会を迎え、それに対応していかなければならないのだ。現状にすがり機能しない行政システム、党利党略ばかりで建設的な議論のない政治が大きな問題点だ。その中に身を置く者として情けなく、国民に申し訳なく思う。私は、無駄な時間を費やしたりせず、建設的な仕事をして行こうと思う。

 日本は、1853年、黒船(ペリー)が来航し、開国した。1945年、太平洋戦争に敗れて、豊かになった。日本()は、過去の歴史にあったような外国からの圧力が無ければ、政治不信や生活不安など、自らの力で改革していく事が出来ない国なのだろうかと思う近頃である。