ストリート・チルドレンというときこえはいいけれど、

ぼくたちの出会ってきたのは、鼻つまみものの

悪がきたちだった。



街中の人から嫌われる。

店に入ればサンダルを万引きする。

チキンの店には、夜中に忍び込んで食べ物を盗む。



殴られ、たたかれても、2回、3回とやる。



すすまみれ、泥まみれのボロを着て、風呂にも入らない。

臭い。見るだけでうざったい。

そんな8才や10才だ。



もちろん性格はゆがんでいる。

自分たちの状況に絶望して、毎日シンナーを吸う。

悪ガキ同士で縄張り争いをする。



じゃあどうやって少しでもまともに金をもらえばいい?

ゴミひろいだ。

とても危険な工事現場のゴミ捨て場に入って、

捨てられたガラス戸をみんなでひろう。



それを道路にたたきつけて、ガラスを割る。

その枠が金属で出来ているから、金になる。



それで小さな金をかせいで、ひとにぎりのバナナの葉で

つつんだ米をかう。



アジアの路上で暮らす悪ガキどもよ。

今日も元気でやってるか。



ぼくは、お前たちのような子どものいない、ゆたかな

日本で暮らしているが。



誰からも無視され、おとしめられ、けむたがられる

お前たち。誰をうらんだらいいのか。



そんな状況におちたのは、お前たちのせいじゃないのは

確かだ。



それでも生まれてきたからには、生きぬかなきゃならない。

どんなハードなストリートでも渡っていくしかない。



銃、麻薬、人身売買。

あらゆる破滅の罠がすぐ近くにある。



お前たちは首尾よく大きくなれば、大人たちに目をつけられ

拳銃を渡されて、政治家の命を狙うヒットマンになるかもしれない。



もしもお前が運よく見た目がよければ、身体を売れるかもしれない。



いずれにしても、大きくなったってヘビーな状況は変わらない。



そんな悪ガキたちに数多く会ってきたが、みんな、ぼくたちの前ではふつうの子どもだった。



よく笑い、ふざけあって、何もないところから何かをつくって、生きていた。



だからときには食べ物を渡し、服を着せたんだ。



だって、そうすれば、お前たちが、一回でも万引きしたり、食べ物やに盗みに入ったり、しなくてもよくなるだろう?



これからだってお前たちは、かんたんには変われないから、

100回でもチキンを盗みに入るだろう。



そして警察につき出され、暗い牢屋に閉じ込められて、いじめられるだろう。



その100回が、99回に、98回に減るのなら、ぼくらが行ったことに意味はある。



お前たちがクリスチャンなら、わかりやすいかもしれない。

神への罪が、一つでも減るのだから。



あるいはお前たちは仏教徒かもしれない。それなら、未来につくる悪いカルマをひとつ減らすことになる。



いいかお前たち。ぼくたちは善意で行ったわけじゃない。

日本だってお前たちみたいな悪ガキにあふれてたんだ。

いつまでも同じ苦しみにいるなんて、誰が決めた。



知ったかぶって、アジアの貧しい国は、あと100年はそのままだとか、予想屋はいうだろう。



いい学校を出て、いい教授に学んで、誰からもちやほやされる高みにいながら、お前たちをいつまでも泥の下に顔をつっこませるだろう。



だが未来のことは、誰にも分からない。

明日のことは、誰も知らない。



世界一のスーパーコンピューターの予測だって当たるとは限らない。



アジアの路上の悪ガキたち。

だから何とか生きのびて、今後の世界をいっしょに見ようじゃないか。



いつか輝ける未来において、ガキのころにもらった一杯のご飯とか、一着の古着のことを、思い出してくれるなら、それが最高のぼくたちへのご褒美だ。



同情だったら誰でもできる。

だが、匂いがきつくて、何するかわからなくて、何日も風呂に入ってない悪ガキに近づいて、その手に何かを渡すことは、誰にでもできることじゃない。



Can YOU understand what I say?

I'm talking to YOU!