お気に入りの本~島本理生『ナラタージュ』
お気に入りの本~① 島本理生『ナラタージュ』
- 島本 理生
- ナラタージュ
第一回目は最近メキメキと頭角を現しつつある若手小説家、島本理生さんの『ナラタージュ』です。
一番最初にどの本を紹介しようかかなり悩んだのですが、手始めに「今、一番ハマッている本」からいこうかなと。
島本理生さんは芥川賞候補に何回か挙がっている方で、私が最初に読んだのは『生まれる森』でした。
もちろん、芥川賞にノミネートした作品だから・・と言う動機で読んだのですが感想は・・・・
しかし、ある日、書店をぶらぶらしていると、本の帯に書いてあった小川洋子さんの言葉に惹かれました。
「魂を焼き尽くす程の恋。 封印したはずのあの痛みを、よみがえらせてしまう小説」
帯買いでした。そして・・・どっぷり浸かってしまいました。
一言で表すなら「読みやすい素直な小説」です。こういう良作はまず読む前に「自分の心を素直にして読む」事をお薦めします。 自分に合う、合わないではなくとりあえず読み進めてみる・・そうすればいつの間にか最後まで読んでしまっていると思います。そして、自分の心の中に「恋する痛み」が目覚めるはずです。
この後紹介する綿矢りささんの『蹴りたい背中』が【静】なら、島本さんのこの作品は【動】です。
こんな作品を書きたい・・いや、書きますけど(笑)
現在2回目の読みに入っています。 感想などコメント欄に残して下されば嬉しいです^^
■あらすじ
大学2年生の春、泉に高校の演劇部の葉山先生から電話がかかってくる。高校時代、片思いをしていた先生の電話に泉は思わずときめく。だが、用件は後輩のために卒業公演に参加してくれないか、という誘いだった。「それだけですか?」という問いにしばらく間があいた。
「ひさしぶりに君とゆっくり話がしたいと思ったんだ」
高校卒業時に打ち明けられた先生の過去の大きな秘密。抑えなくてはならない気持ちとわかっていながら、一年ぶりに再会し、部活の練習を重ねるうちに先生への想いが募っていく。
不器用だからこそ、ただ純粋で激しく狂おしい恋愛小説。(以上、角川書店より引用)