昨日あいまいなルールについて書きましたので、今回もそれについて書こうと思います。

 いま大きな話題となっている全仏オープンにおける加藤未唯選手の失格についてです。

 問題になってはいるものの日本テニス協会の審判委員会委員長の岡村徳之さんによると、判定は特別問題はなかったそうです。

 https://mainichi.jp/articles/20230609/k00/00m/050/291000c

 日本テニス協会も現行のルールでは認めざるを得ないと表明していますし

 https://news.yahoo.co.jp/articles/24ae2de1b012313508ffba5f8b6e0f096b042b12

 

 ルールについて詳しくないのですが、審判の判定に対して不服をいうことは許されているようです。もめた際にはレフリーが呼ばれ大会責任者のスーパーバイザーと協議して最終決定をすることになっているようです。

 なお、相手選手の行為がかなり批判されていますが、たとえ相手の行為が違反であっても、それは相手選手にペナルティが追加で課せられるだけで、加藤選手の違反行為とは、別問題だと考えています。

 さて、問題の1つにはビデオを見ることを要求したがそれもせずに処分が下されたことが挙げられています。

 でも、その後加藤選手が明かした、レフリーたちの言葉を見ると、その理由がわかったように思いました。

 https://news.yahoo.co.jp/articles/eff295814a64f12381b9beec731c6eb6c4aa123d

 

 上記を読むと15分ではなく5分なら、首ではなく足とか腕なら、女の子ではなく男の子だったら、とよくわからない理由が述べられています。

 まず、審判の最初のジャッジでもめたのは、相手選手と審判の間の問題です。そして双方ともに加藤選手の打ったボールがダイレクトにボールガールにあったことは意見に相違はなかったものですので、事実と認定されたと思われます。

 その事実に基づき、故意か過失か、どんな状況で打ったボールだったかなどは問題ではなく、ボールガールの被害状況で判断すると決めたからではないかと思います。だからビデオを見る必要はなく、判断に当たってはボールガールの状態が重要だったということだったのだと思います。

 首という危険性の高い場所、泣いている時間などを考慮して被害は大きいと判断して処分を下したのだと考えます。

 プレー中ではないときのことまで、ビデオを判定を使わなければならないというルールはないので、ビデオで確認しなかったことはルール違反ではありませんし、どのようなものが危険行為になりどういうことで判定するなどまでは決まっていなかったようです。つまりルールがあいまいだったために、加藤選手やそれを擁護する側の見るポイントと、レフリー側の判断のポイントがずれていたことが、大きな問題へと発展したのだと考えています。

 

 最後に、加藤選手の話によれば、男の子だったら判定が変わったかもという話もあったようです。多分男の子だったらあんなには泣かないというようなことを意味しているのではないかと推定します。でもそれは、ジェンダー的に問題のある発言ではないかと疑問を持ちました。