2月の読書会『さかなは さかな』レポート② | 寺田真理子オフィシャルブログ

2月の読書会『さかなは さかな』レポート②

2月8日(木)に開催した読書会のレポートをお届けしています。

 

2月の読書会『さかなは さかな』レポート①はこちらをご覧ください。

 

 

「最初はカエルの世界の話を聞いて受け止めていた魚が、実際に水を飛び出して経験した違い。『さかなは さかなさ。』と感じられたのも、自分で経験したことがあったからだと思うし、その経験が大事。日本人が世界に行って日本の小ささを知るのにも通じる」

 

「『青い鳥』が頭に浮かんだ。青い鳥を見つければ夢が叶うと、チルチルとミチルが探す。だが幸せは身近にある。魚は地上に行けば幸せがあると思ったけれど、身近なところで安住する気持ちになったのだと思う。もうひとつ思い浮かんだのは、NHKの『ドキュメント72時間』。登場するのは市井の人々で、自然を愛でながら、ささやかだけれど一生懸命生きている。難しいことをしゃべるわけではなくて、率直に感情を語るのだが、今の人生を受容していることが感じられる」

 

「色が柔らかい。水の中の植物が柔らかく描いてある。だが読み進めていくと、魚が想像する吹き出しのところでは、気持ち悪い、けばけばしい絵になっている。絵とストーリーがセットになっている。ストーリーだけでも十分素敵な絵本はあるが、この作品は絵がいろいろなことを表現している。他の人も言っていたように、魚の想像は自分の姿から想像しているので、おかしなものになっている。カエルが『さかなは さかなさ。』と言うのと、魚が『さかなは さかなさ。』と言うのは、同じ言葉だが、カエルが言ったのと魚が言ったのとでは、気持ちに違いがある」

 

「カエルが『さかなは さかなさ。』と言ったときに突き放したような印象を受けた。だが、何回か読むと突き放したように感じたのは、魚の立場から捉えていたからだと気づいた。カエルにはそういう意図はなく、単に客観的な違いを言っていたのを、魚が冷淡な物言いに捉えてしまったのではないか」