12月の読書会レポート② | 寺田真理子オフィシャルブログ

12月の読書会レポート②

12月14日(木)に開催したブリコラージュさま主催の定例の読書会のレポートをお届けしています。

 

12月の読書会レポート①はこちらをご覧ください。

 

続いて、読書会に参加してきたことによる変化や得られたものについて、お話を伺いました。

 

「途中から参加するようになったが、職場の人とは意外とこういう話をする機会がないので、すごく新鮮で息抜きになった。すごくよかった。医療など本人以外の思惑に左右されがちな仕事をしていると、振り返ることができない。認知症の人に誠実に対応していかなくてはと思った。職場では事例検討はあっても、内面的なことに言及することもあるが、こういうことだけにフォーカスして人の意見を聞く機会は無い。また、同じ職場だと、『この人はこう言うだろうな』と予想がつくので、話してもつまらない」

 

「ひとりで本を読むと、本を選ぶ時点で、無意識に自分の考えに合っているものを選ぶと思う。読んでいても、自分に都合のいいことばかりをピックアップしている。それが読書会だと『完全に自由な愛』のような、自分ではピックアップしないところをピックアップできるのが良いところだ。仏教思想に自分はなじみがあるが、この言葉はキリスト教的で、話を聞いていてこの言葉への興味が湧いた。宇宙との一体感、お坊さんが座禅して没入する恍惚や一体感とも通じるのではないか。シンクロが起こるというか、介護の目的ではなく意味を考えると、関係ないところがつながってくる。介護技術ではなく、背後にあるものを考える読書会が、日々の自分自身に巡り巡ってくる」

 

「リアルでの読書会の際には自分のタイミングで話すことができていたが、Zoomで話を振られると、まとまっていなくてもしゃべらないといけない。用意がないまましゃべり出して、意識化されていないことをたどたどしくしゃべり始めるのだが、ブログで文字化されたものを距離を置いて振り返ることで、訓練になるというか、自分の未知の側面を発見して実りが多い。『しゃべらなくては』としゃべることで、普段言語化しないことも言語化することになり、『自分はこういう考えなんだ』と発見する。意外だったのは、たどたどしく伝えたはずの意見が、それなりにちゃんとした意見になっていること。しっかりしたひとつの考えとして文字に起こされていると、立派なことを言っていたような気になる」

 

この本は、『ケアされる人にとってどういうことが大事なのか』という本かと思っていた。抽象的な内容かと思ったら、スタンレーの事例などのように具体的な実例があり、そのおかげで理解が促された。最後のほうになると、パーソンセンタードケアは、ケアをされる人とする人の良い作用をつくることを考えればいいのかと思うようになった。そういうふうに考えれば良いというように変わってきた」