『認知症ケアの倫理』第23回読書会レポート① | 寺田真理子オフィシャルブログ

『認知症ケアの倫理』第23回読書会レポート①

2023年8月10日(木)に『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』の第23回読書会を開催させていただきました。ご参加のみなさま、ありがとうございました。以下にレポートをお届けいたします。

 

 

今回は123ページの13行目から読んでいきました。妻の介護をしていたドミニクの事例に関連し、相手の嫌がることでも相手のために強制しなければいけない場合について、みなさまからお話を伺いました。

 

「介護に限らず、身近なところでも、相手のために強制しなければいけない事はあると思う。たとえば、野菜嫌いの子どもに野菜を食べさせる場合もそうだ」

 

「父親がアルツハイマー病で糖尿病もあり、介護の際に塩分を控えめにするように塩加減に気を遣わなければいけなかった。だが、それだと父親にとっては食べても美味しくない。だから食べずに、代わりに勝手に冷蔵庫を開けて甘いものを食べたりしていた。入浴も手伝っていたが、こういうことを子どもにさせるのは恥ずかしいだろうなと思い、お互いに精神的葛藤があった」

 

「子育てはほぼ強制だ。そうしないと回らないし、子どもに判断を任せることは少ない。介護相談に関しても、一定の介護度以上になると、自らデイやショートステイに行く人は少なく、家族による強制だ」

 

「AをとってもBをとってもリスクがないなら選択の自由はあっても良いが、生命に関わる等となると、親が強制しなければならない。自分の事を振り返っても、親に強制されたという恨みはない。理由づけができる強制ならば、理不尽だとは思わないのではないか。一方で、意味のない校則等の強制は嫌いだ。息子の学校では靴下は白しかダメで、ワンポイントのマーク等もダメだ。この校則にどれほどの意味があるのだろうかと思う。だが、きちんと朝食を食べるとか、そういう根拠のある事なら、子どもたちが納得いかなくても強制する」

 

「以前は甲子園球児というと丸刈りだったが、最近は丸刈りが減ってきているという。丸刈りを強制されるのは4分の1だという

 

「小学校の頃に坊主が嫌で野球をやめた記憶がある。サッカーの大久保嘉人選手は国見高校出身で、国見高校では伝統的にサッカー選手は丸坊主にしていたという。サッカーの場合、髪型は自由でおしゃれにしている場合が多いので、『あんな髪型のチャラチャラした奴に負けない』という思いで試合をしていたそうだ。何かを犠牲にしていた事で、ハングリー精神につながったのではないか」

 

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【認知症の介護のために知っておきたい大切なこと~パーソンセンタードケア講座~】

開催日:2023年8月18日(金)14:00~15:30

会場:オンライン

参加費:2,200円(税込)

主催:全国コミュニティライフサポートセンター

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