『認知症ケアの倫理』第20回読書会レポート① | 寺田真理子オフィシャルブログ

『認知症ケアの倫理』第20回読書会レポート①

2023年5月18日(木)に『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』の第20回読書会を開催させていただきました。ご参加のみなさま、ありがとうございました。以下にレポートをお届けいたします。

 

 

今回は110ページの「生活の質とは何か」から読んでいきました。

 

生活の質に関連して、マリファナの使用について取り上げた“Chasing Life” の“Sanjay investigates “Weed” Pt1&2” をご紹介しました。

 

子どもが2歳の頃からひどいてんかん発作を起こすようになり、日常生活に支障をきたしているケースが登場します。鍼などの民間療法を含め様々な療法を試みたもののどれも効果がなく、一晩に50回ほどの発作を起こすような状態になっていました。5歳になる頃にはもはや人工的昏睡しかないまでになり、究極の選択としてマリファナを試したのです。すると症状が劇的に緩和し、発作もほとんど起こすことなく日常生活を送れるようになったというのです。

 

他にも、発作によってひどい吃音のような状態になってしまうのが、マリファナを使用することで滑らかに話せるようになるケースも紹介されていました。化学療法による副作用の緩和やがんの治療等にも活用でき、イスラエルにあるセンターで研究が進められているそうです。詳細は番組をご参照ください。

 

111ページにある、世界保健機関(WHO)が生活の質を測定するために作成したアンケートをご紹介しました。100の項目をご紹介して、その項目の内容や順番等に関してどう思ったか、参加者のみなさまにお話を伺いました。

 

「生活の悩みというと経済的な問題が上位にくることが多いが、このアンケートでは経済的な問題よりも容姿の問題等のほうが先に尋ねられていたのが印象的だった」

 

「よく眠れるかといった具体的な質問と、人生に満足しているかといった抽象的な質問とがあった。同じ質問が多くあったが、これはアンケートの手法だと思う。同じ質問を入れることで、答えが違った場合を検討して判断しているのだろう。生活の質というのは、普段はしない話だと思う」

 

「介護等に関わっていないと、『QOL』(生活の質)と言ってもわからない人もいる。介護の場面でなくても、普段から『これだとQOLが……』という具合に日常的な用語として使用しているが、言葉自体になじみがない人のほうが多いのかもしれない」

 

 

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開催日:2023年6月23日(金)14:00~15:30

会場:オンライン

参加費:2,200円(税込)

主催:全国コミュニティライフサポートセンター

詳細・お申し込みはこちらからお願いいたします。

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※認知症ケア専門士単位(1単位)も取得できます。

 

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