『認知症ケアの倫理』第18回読書会レポート① | 寺田真理子オフィシャルブログ

『認知症ケアの倫理』第18回読書会レポート①

2023年3月9日(木)に『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』の第18回読書会を開催させていただきました。ご参加のみなさま、ありがとうございました。以下にレポートをお届けいたします。

 

 

今回は103ページの事例から読んでいきました。104ページの事例7「選択を維持する」に関連して、選んでもらうことの大切さに言及しました。高齢になったり、何かができなくなったりすることで、「あなたはこれでいいでしょう」と決めつけられてしまうことが増えるのではないでしょうか。

 

これは高齢者に限らず、たとえば子どもでも「子どもだからこれでいいでしょう」と決めつけられたり、何かの属性によってひとくくりにされたりすることがあるかと思います。ある女性は「おばあさんだからこういうパンツでいいだろう」と大きな無地のパンツを与えられていたけれど、実は本人はレースの下着が好きだったといいます。そういうふうに、本人が何を望んでいるかはわからないものですし、一人ひとりを注意深く見ていくことが求められると思います。

 

これに関連して、対照的なアプローチとしてご紹介したのが、『どうせなにもみえないー諏訪敦絵画作品集』に出てくる「恵里子」という作品へのアプローチです。

 

 

 

亡くなられた恵里子さんの肖像画を依頼された諏訪さんは、彼女の両親のスケッチをするところから肖像画にアプローチします。遺伝子レベルで恵里子さんを探っているのです。さらに、彼女の手の動きを再現するため、専門家に相談して彼女の手を義手によって再現し、それを使ってポーズを考えていきます。その人であればどうしただろうかを徹底的に考察して寄り添うアプローチは、ひとくくりにして決めつけてしまうことの対極にあると思います。

 

 

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【認知症の介護のために知っておきたい大切なこと~パーソンセンタードケア講座~】

 

開催日:2023年4月20日(木)14:00~15:30

会場:オンライン

参加費:2,200円(税込)

主催:全国コミュニティライフサポートセンター

詳細・お申し込みはこちらからお願いいたします。

Peatixからもお申込みいただけます。

 

※認知症ケア専門士単位(1単位)も申請中です。

pcc

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