『認知症ケアの倫理』第17回読書会レポート① | 寺田真理子オフィシャルブログ

『認知症ケアの倫理』第17回読書会レポート①

2023年2月9日(木)に『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』の第17回読書会を開催させていただきました。ご参加のみなさま、ありがとうございました。以下にレポートをお届けいたします。

 

 

今回は101ページの事例から読んでいきました。介護経験(またはその他何かご自身にとって大きな経験)によって自分に生じた変化について、参加者の皆様からお話を伺いました。

 

「自宅で暮らす人の支援をしているので、いろいろな家に行く経験をしている。部屋ひとつとっても、世の中はこんなに多種多様なのだと知ることができ、ちょっとしたことで動じない自分になれた。また、包括支援センターの場合、飛び込みの突発的な相談に対応しなければならない。相談内容はパターン化されているわけではなく、毎回新鮮だ。対応する経験を通して10代や20代の頃に比べたら寛容になれた。当時は周りに裕福な人が多かったが、今は生活保護を受けている人や精神を患う人に仕事で関わっている。いろいろな人がいて、いろいろな考え方があるのだとわかっただけでも寛容になれたと思う。」

 

「自分は訪問リハビリのサービスを受けているので、見られる側にある。自分の家に来る人も、いろいろな家のうちの一人だと思って見てくれているのかなと思えた」

 

「相手の話を聞けるようになったと思う。昔は相手を変えることに関心があった。先日の座談会で、人材育成等の研修に職員を出しても結局職員は変わらない、人は変えるものではないという話題になった。相手を変えようと思った途端に相手との関係が悪くなる。認知症がある人への対応の仕方は人間関係一般に通じるものだと思う。介護に限らず、相手を変えようと思うと自分もイライラしてしまう。育てようと思うことは大事だが、必要以上に育てようと思うとストレスになってしまう。相手を変えられないと絶望的な気持ちでネガティブに思うのではなく、言ってもダメだと思うのではなく、言わずに気づくまで待とうというような気の持ちようが大事だと思う」

 

「そういう気の持ちようは時間感覚にも関係しているように思う。今すぐには変われなくても長い目で見ていけば変わっていくかもしれないと思えると、対応の仕方も変わってくるのではないか」

 

 

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【認知症の介護のために知っておきたい大切なこと~パーソンセンタードケア講座~】

開催日:2023年2月17日(金)20:00~21:30

会場:オンライン

参加費:2,200円(税込)

主催:全国コミュニティライフサポートセンター

詳細・お申し込みはこちらからお願いいたします。

Peatixからもお申込みいただけます。

 

※認知症ケア専門士単位(1単位)も申請中です。

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