『認知症ケアの倫理』第15回読書会レポート① | 寺田真理子オフィシャルブログ

『認知症ケアの倫理』第15回読書会レポート①

2022年12月8(木)に『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』の第15回読書会を開催させていただきました。ご参加のみなさま、ありがとうございました。以下にレポートをお届けいたします。

 

 

今回は91ページの「共にいることと共感」から読んでいきました。誰かと「共にいる」と感じられた経験やその理由、逆にそう感じられなかった経験やその理由について、お話を伺いました。

 

「新しい洗濯機を購入したが、高さが足りずに搬入ができなかった。水道工事をしないと無理だと業者に言われた。そんな大掛かりなことが必要なのか、今の状態で設置できるようにまた別の洗濯機を購入しなければいけないのかとショックを受けていると、簡単な工事で済むはずだということ、また、洗濯機は半年でも預かっておくので工事が済んだらまた連絡をくれればいいと業者が言ってくれた。92ページにあるように『相手が現在この状況にいることをどう感じているのかという〈主観〉に注目』してくれていた。水道工事の業者も、『こういう事情で洗濯気が置けなくて困っている』というこちらの置かれた状況や、なぜ工事をしたいのかという文脈を理解して寄り添うように対応してくれた。どちらの業者の対応も、共にいると感じられた」

 

「自分は家族にはこだわりが強い。息子がふたりいて、ふたりとも携帯を触ったりYouTubeを見たりするのが好きだが、自分が車を運転している時には触らないようにしつけている。たとえその時つまらなくても、その時間や空間は共有しないといけないと捉えている。寛容でありたいとは思うが、たとえば家族でディズニーランドに行ったとしたら、待ち時間も共有したい。妻はきっと『今ディズニーランドに来ています』と発信したいだろうと思うが、それでは一緒にその場に来ていることと発信することと、どちらがメインなのかわからなくなる。まるで発信するために来ているようになってしまう」

 

「『おおきな木』という絵本がある。この絵本がまさに『共にいる』ということをテーマにしていると思う」

 

 

「認知症を主に扱った映画よりも、主題は違うけれども脇役で認知症のおばあちゃんが登場するようなものに影響を受ける。『リトル・ダンサー』という映画で、おばあちゃんと主人公の関係性が自然体で描かれていた。おばあちゃんは認知症で、主人公は幼いながらに、おばあちゃんに起こっていることを理解していた。共にいる感じが描かれていた」

 

 

 

 

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