『認知症ケアの倫理』第13回読書会レポート② | 寺田真理子オフィシャルブログ

『認知症ケアの倫理』第13回読書会レポート②

2022年10月13(木)に『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』の第13回読書会を開催させていただきました。ご参加のみなさま、ありがとうございました。以下にレポートをお届けいたします。

 

第13回読書会レポート①はこちらをご覧ください。

 

 

「特別意識したことはなかった。ジェンダーによる差別を経験したことがない。親は団塊の世代だが、父親は自分で家事をしていて料理も上手だった。もともとの自分の性格が男性に媚びないということもある。お花やお茶などの稽古を十代でして、角が立たない対応を覚えたということもあるかもしれない。

 

父親が暴力をふるっても、母親はひるまずに歯向かっていった。かなり体格差があってもそうだったので、腕力がなくても気迫で勝てると知った。一方、60代の知人は、夫婦共働きで看護師をしている。ずっと夜勤が続き、夜勤明けの朝9時に寝ようとしたところで午前様の夫が帰ってきて『朝飯はまだか』と言って、その時に初めて怒ったそうだ。夫の退職後、別れるのも面倒だから離婚はせずに一緒にいるが、行動は別々だ。そうやって我慢する人もいる。

 

産後に育休をとった後、仕事に戻らないとやっていけない人が多いが、働かなくていいなら働かないほうがいいと感じている人は多いのではないか。専業主婦になりたい人が結構いるのではないかと思う。本当は国が経済的に余裕のある20年くらい前に働きやすい制度を作っておけばよかったのだと思う」

 

「これまで気にしていなかった。女性の位置づけや役割は変わってきている。母親は専業主婦だったので保守的だったが、私は働きだしてから、平等なのが普通だったし、普通であってほしいと思っている。ITの仕事で男性社会だったこともあり、仕事の役割の違い等に差があり、そのことは不思議に思った。フェミニズムというと、権利にとらわれているというか、そこまで言わなくてもいいというようなイメージがある」

 

ここで『男社会がしんどい』と『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』を紹介しました。『男社会がしんどい』では、痴漢の問題が取り上げられています。この犯罪が延々と続いているのに、被害者が声をあげられない、あげても沈黙させられてしまう構図を「池に潜らされて竹筒を使って息をしている」比喩で描かれているのが印象的でした。その竹筒には「犬にかまれたと思え」「自分も悪い」「大したことない」「騒ぐだけムダ」等と書かれているのです。

 

 

 

『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』には、強姦罪についての衝撃的な判決が登場します。強姦罪が親告罪ではなくなったといっても、被害者が抵抗したことを立証しなくてはいけません。けれども拒絶の意思があったと認定される場合でも、男性が「無神経」でそれが理解できなかったという理由で無罪になっているのです。

 

 

 

 

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主催:全国コミュニティライフサポートセンター

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こんなふうにパワーポイントのスライドを表示しながらお話していく講座になります。

 

 

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