『認知症ケアの倫理』第11回読書会レポート① | 寺田真理子オフィシャルブログ

『認知症ケアの倫理』第11回読書会レポート①

2022年8月11日(木)に『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』の第11回読書会を開催させていただきました。ご参加のみなさま、ありがとうございました。以下にレポートをお届けいたします。

 

 

今回は70ページから読んでいきました。72ページの「最善のことをする」に関連して、「自分は相手のために良かれと思ってやったけれども、相手にとってはそうではなかった」という経験についてお話を伺いました。

 

「逆のケースだが、相手にとって良くなかったのではと思ったことが、かえって相手にとっては良かったという経験がある。友人が服を試着した際に、店員が『似合う! かわいい!』と絶賛していたのに、私はあまり盛り上げるのが得意ではないので、低めのテンションでいた。もっと店員と一緒に盛り上げてあげたほうがよかったのではと反省していたら、実はその店員からの圧力を感じてしまうので、誰かと一緒に行ったほうがいいという話を聞いた。一緒になって買う方向にあおらないほうが、友人にとっては良かったとわかった」

 

「子どもに対しては、子どもの頃であれば誕生会などいろいろとしていたが、今では成人しているので、私から提案して何かをしてあげるよりは、具体的に何か頼まれたらやるというスタンスでいる。そうでないと結局は見当違いになってしまう。姑がしてくれることが私の望むこととずれていることもよくある。これは文化的な相違や宗教観の違いから来ていると思う」

 

 

「ある宅老所がドキュメンタリー番組で取り上げられ、統合失調症がある人が登場した。普段はおとなしいのだが、スイッチが入ると暴力的になってしまう。番組放映後にこの宅老所への批判が殺到し、そういう人は医療に委ねるべきだという意見が見られた。これは、その人にとっての最善のことを世間の目で判断してしまっているのではないだろうか。その人にとっての最善ではなく、自分の価値観で判断してしまうことは、自分も普段やりがちなので気をつけなければと思う」

 

「相手が自分のためにしてくれたことがわからなくて、コミュニケーションロスにつながることがあった。最近になって人との距離感がわかるようになってきたが、学生の頃は友人と話をするのがすごくしんどかった。特に女性同士の同調が苦手で、悪口のように悪いものだけでなく良いものも含め、みんなに合わせることが難しい。みんなと同じでないといけないという価値観はきつい。今は自分のことを理解してくれて価値観を共有できる人たちと仕事ができているので、当時に比べて楽になっている」

 

 

 

 

 

 

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開催日:9月30日(金)20:00~21:30

会場:オンライン

参加費:2,200円(税込)

主催:全国コミュニティライフサポートセンター

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