『認知症ケアの倫理』第6回読書会レポート④ | 寺田真理子オフィシャルブログ

『認知症ケアの倫理』第6回読書会レポート④

2022年3月10日(木)に開催した『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』の第6回読書会のレポートのつづきです。

 

第6回読書会レポート①はこちらをご覧ください。

第6回読書会レポート②はこちらをご覧ください。

第6回読書会レポート③はこちらをご覧ください。

 

54ページの「コミュニケーションとケア」に登場する悪性の社会心理について触れ、自分が自分らしくいられない環境や、逆にいきいきとできる環境について伺いました。

 

「自分にとってアウェイ感があると、できていたこともできなくなる。苦手な場面でも周りの人が助けてくれる安心感があれば、新しいことも習得しやすい。子どもが知っている人がいない中にポンと入っていって、緊張して何もできなかったことがある。だが、雰囲気づくりが上手い先生がいて、心理的安全性が確保されたので、どんどん能力を伸ばしていくことができた」

 

「環境が大事だと思う。頭の中で怖いところだと思ってしまうことがあるが、実際に行ってみると知らない人ともしゃべれたり、普通に対応できたりする。以前に 6年半外資系企業に勤めていたが、個人商店のようで協力関係がなかった。協力してくれる人をうまく見つけていかないと、大変なことになってしまう。そのために猜疑心が強くなってしまったし、体も壊した。今は真逆の日本の会社にいる。決定が遅いところはあるが、人に関心を持っている人が多いと思う。朝早く出社するようにしていると『最近、朝早いね』と声をかけられるし、見てくれているのだと思う」

 

「人は相手のことを感じ取るものだと思う。相手が外国語でポロッと本音を言ったときに、言葉がわからなくても伝わってしまうものだと思う」

 

「『戦争は女の顔をしていない』を書いたベラルーシの作家で、2015年にノーベル文学賞を受賞したスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの『チェルノブイリの祈り』という本をちょうど読んでいた。自分の好きな作家だ。一人ひとりの意識が、国を守ることにも自分と社会の連帯にも影響を及ぼす。戦争をするのも、武器を使うのも人間。その人の価値観が行動に影響を与える」

 

「自分の会社では今、大きな会社に出向して業務を請け負っているが、初めてそこに参加したスタッフは、全然環境が違うと言っていた。大きな部屋で怒鳴っている人がいたり、隣の人が電話をガチャッと切って「やってられねー!」と叫んだりするため、緊張を強いられているという」

 

他にも、亡くなった方とのつながりに関連して、『さよならのあとで』をご紹介しました。

 

 

 

今回は、57ページまで読み進めました。次回は第3章の「治療に関わる」に入ります。60ページから読んでいきます。次回は4月14日(木)の開催となります。