『認知症ケアの倫理』第4回読書会レポート③ | 寺田真理子オフィシャルブログ

『認知症ケアの倫理』第4回読書会レポート③

2022年1月13日(木)に開催した『パーソンセンタードケアで考える認知症ケアの倫理』の第4回読書会のレポートです。

 

第4回読書会レポート①はこちらをご覧ください。

第4回読書会レポート②はこちらをご覧ください。

 

 

「以前の職場では在宅のことが多くて人間関係が希薄だったが、今の職場では基本的に全員出社している。その中に陰謀論を言い出す人もいるのだが、そうすると『それは誰が言っているの?』と検証してくれる人がいる。批判しているというのではなく、冷静に根拠を求める。すると、相手も『ユーチューバーの誰々が言っていた』などと答えながら、だんだん冷静になっていく。人と話すことで思考の偏りが修正できると感じる。籠っていると、どうしても偏ってしまう。ネガティブになりがちな人は人と接したほうがいい」

 

「オンラインやデジタルでは知識ばかりが膨らんでいく。知人に接骨院をしている男性がいる。彼の子どもは薬剤師をしていて、知識は凄いけれども感覚が弱っているという。あるとき、食材が腐っていたのに、賞味期限を見て大丈夫だと判断して食べてしまい、お腹を壊したそうだ。明らかに変な匂いがしていたのに、自分の感覚ではなく、賞味期限のほうを信頼してしまったという」

 

「オンライン会議が増えて、職種別の研修もオンラインに移行した。ソーシャルワーカー、保健師、主任ケアマネの3種があったが、この中でうまく移行できたのはケアマネだけだった。ケアマネには男女どちらも含まれる。自分の本音を話すことがない職種のため、オンラインのほうがいいくらいだった。社会福祉士は半分以上男性だ。内容は虐待のその後の報告で、オンラインでやっているとプライベートの情報が職場に流れてしまうため中止になった。繊細な心の支援はオンラインでは難しい。保健師は女性ばかりだ。建前がひとつもなく本音しかないような感じで、お茶とお菓子を食べながら長時間の研修をやっていたのだが、ZOOMに移行すると本音が言えなくなり、空気感がつかめなくなった。『あの人の顔を見ているのも嫌』というくらいになってしまい、解散を考えるところまで状況が悪化してしまった。結局、オンラインを止めて対面に戻したら、うまくいくようになった」