第17回読書会レポート③
『リーダーのためのパーソンセンタードケア』第17回読書会のレポートのつづきです。
ご家族の関わりが減ってきたときには、ご家族の気持ちを汲むようにしているという意見もありました。親身にお話を伺ううちに、「こんなことがあって……」とか「会ったときにこんなことを言われて……」「本当は昔から嫌いだったんだ」などと、ポロリとしゃべってくれるそうです。そういうふうに対応していると、「ここに来ると居心地がいい」「聴いてくれるスタッフがいる」という理由でご家族が来てくれるようになります。来たくなるような環境をつくっているのです。来てくれれば、「じゃあ、ついでに顔を見ていくか」と面会もしていってくれます。そうして関係が再構築されることもあるのです。
「いいとこ探し」にも努めているそうです。「お母さんは、実はあなたのことをこんなふうに言って自慢していたんだよ」とか「あなたが会いに来ると、お母さんはいつもすごくいい笑顔を見せてくれる」といったこともご家族にお伝えするのです。
母親とは血のつながりがなく、父親の再婚相手である母親を好きになれなかったのに、ずっと面倒を看ているご家族もいます。「こんなに長く看ないといけないのはどうして?」と言うのに対して、自分たちが7割から8割やるから、無理をしないで付き合ってほしいとお伝えするそうです。「あの子は私の娘じゃないから」とみんながいる場で母親が言うこともあり、ご家族は悲しかったそうですが、「感謝しているけれども、照れてるからあんなふうに言ったんだよ」とスタッフからご本人に伝えていきます。そうしているうちに、「この場所があるからまた母親とも関わることができる」と言ってくれるようになり、架け橋になれたと実感したそうです。
※パーソンセンタードケアオンラインワークショップを以下の日時に開催いたします。
6月5日(土)14:00~16:30
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