『リーダーのためのパーソンセンタードケア』第16回読書会レポート⑤ | 寺田真理子オフィシャルブログ

『リーダーのためのパーソンセンタードケア』第16回読書会レポート⑤

『リーダーのためのパーソンセンタードケア』第16回読書会レポートのつづきです。

 

第16回読書会レポート①はこちらをご覧ください。

第16回読書会レポート②はこちらをご覧ください。

第16回読書会レポート③はこちらをご覧ください。

第16回読書会レポート④はこちらをご覧ください。

 

 

 

外部の専門家との連携に関して、私は通訳の経験から、仕事の特異性と、その専門ゆえに求められることについては、専門家のほうからも言語化して伝える必要があると考えます。たとえば、長時間の同時通訳をするときに通訳が3人必要だとすると、「なぜ3人も必要なのか」と依頼者には理解できないことがあります。どうして必要なのか、伝えていく努力が求められます。

 

最後に、現在の社会状況に通じる時代背景を描いている作品として『九尾の猫』を紹介させていただきました。

 

 

以下の部分が特に、コロナ禍の現在の状況に似ていると感じます。

“いまの世を見ていると、宗教が生まれてきた太古の昔を思い出すよ。つまり、現代社会は原始社会とおもしろいほど似ているということだ。(中略)だが、もっとも似ているものと言えば(中略)それは、周囲の事物への反応のしかただ。ひとりではなく、群れで考える。そして、(中略)群れの考える力はあまりにも貧弱だ。おまえたちは無知ではちきれんばかりで、無知はやみくもな恐怖を育てる。おまえたちはたいがいのものをこわがるが、中でもいちばん恐れているのは、現代の問題と向き合うことだ。だから、伝統という魔法の高い壁のうちに楽しげに群れ集い、理解できぬことは指導者たちにまかせておく。指導者はおまえたちと未知の脅威の間にいるわけだ。

だが、権力の司祭が期待に副えぬ場合もある。すると突然、おまえたちは未知のものと向き合わざるをえなくなる。救いと幸運をもたらし、生と死の不条理から守ってくれるはずのものは、恐ろしい暗黒の前にもはや立ちはだかっていない。世界を囲んでいた魔法の壁は崩れ、あとは地獄のふちで身をすくめるだけだ。”

本格推理小説がお好きな方だけでなく、このような時代背景にご関心のある方にも、興味深く読める作品だと思います。

 

 

 

また、間もなく発売になる拙著についても紹介させていただきました。こちらは追って別記事で詳しくご案内いたしますね

 

今回は117ページの8行目ページまで読み進めました。次回は5月13日(木)の開催となります。117ページの「家族や友人とのコミュニケーション」から読んでいきます。