『リーダーのためのパーソンセンタードケア』第15回読書会レポート③ | 寺田真理子オフィシャルブログ

『リーダーのためのパーソンセンタードケア』第15回読書会レポート③

『リーダーのためのパーソンセンタードケア』第15回読書会レポートのつづきです。

 

 

 

 

第15回読書会レポート①はこちらをご覧ください。

第15回読書会レポート②はこちらをご覧ください。

 

夜勤の職員が日誌に「徘徊」や「拒否が強い」という表記をすることが気になるという意見もありました。いわば氷山の一角のように、そういう表現をすること自体に、その職員の考え方が反映されているからです。ただ、その問題点についてなかなか話し合う場が持てないことや、伝え方の難しさから、コミュニケーションが話題になりました。

 

コミュニケーションについて、気持ちよく受け取ってもらえる伝え方をずっと勉強している方もいます。強く言ってしまって後悔することもあるそうです。それでも、共感しながらわかり合っていくしかない。「嫌われたくない」という思いがあり、また、「嫌われてまで何かを言っても、それでは通じないのではないか」と考えているそうです。わかってもらおうという気持ちを持ちつつ、「この人にはこういうことが大切なんだ」などと、どうしてそうするのか、理由をちゃんと説明していくこと。想像し合っていくこと。現在うまく対応できているスタッフだって、たくさん大変なことがあったうえでここまでたどり着いたのだと示すこと。「あんな理想的なことをさっきは言ってたけど、もともとは全然わからないところから出発しているんだよね」と伝えていくことを大切にしているそうです。

 

相手の反応を考えずに、伝えるべきことを伝えるという参加者もいました。相手と100%同じものの考え方のはずはないので、そこにはあまり期待をしていないということです。100点からマイナスをしていくのではなく、今すでに合格点だと思って、そこから加点していく見方をしているそうです。そうしないとギクシャクしてしまうので、ある程度のところでよしとするのです。たしかに、100点を相手に求めて、そこからの減点法で接してしまうと、相手も自分が減点されていることを感じ取ってしまうでしょう。ある程度のところでよしとして、そこから加点してもらうほうが、相手もそれを感じ取ってくれるのではないでしょうか。

 

介護には合格点がないという話も出ました。共感力にも合格点があるわけではありません。お互いにどうしてそう思うのか、伝え合っていくことが大事なのです。