第12回読書会レポート② | 寺田真理子オフィシャルブログ

第12回読書会レポート②

『リーダーのためのパーソンセンタードケア』第12回読書会のレポートのつづきです。

 

第12回読書会レポート①はこちらをご覧ください。

 

 

92ページの「よい実践を正しいと認める方法」に関連して、『リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間』に登場する「ファーストクラス・カード」という制度を紹介しました。

 

 

 

リッツ・カールトンでは、たとえばお客様の荷物が多くてベルマンがハウスキーパーのセクションに助けてもらった場合、手伝ってもらった感謝の印にファーストクラス・カードを渡すのです。相手に対して感謝の気持ちを伝えるだけでなく、このカードのコピーが人事にも渡され、人事査定の参考資料に使われるようになっています。スタッフの努力を評価する仕組みになっているのです。このような仕組みや戦略があるかどうかについて話し合いました。

 

入居者についての記録を書く際、よいことを書くように、肯定的な眼差しを養うようにしているという意見がありました。つい否定的な見方をしてしまいがちなので、よいストロークを与えるように心がけているそうです。

 

同じ利用者であっても、見方によってまったく違う人に見えます。「徘徊癖があり、時間と場所の認識に欠けていて短期記憶もすごく乏しい」とあると、重度の障害がある人にしか見えません。だけど、同じ人がこんなふうにも捉えられるのです。「建物の中を歩くのを楽しんでいるようです。混乱してはいますが、親しい人たちを認識できますし、長期記憶もよいようです」。どんな見方をするかによって相手から引き出せる能力も変わってきます。この事例については『認知症の介護のために知っておきたい大切なこと』の100ページ、101ページで取り上げていますので、あわせてご参照ください。

 

 

 

利用者の方は、介護者がどんなことを言うかよりも、その人の本質を見ているのではないかという意見も出ました。いくら表面を取り繕っても、思いがなければ言葉を届けることは難しいでしょう。