努力や才能で結果を出して収入を得ることが健全な経済システムだとすれば、いまなんらか欠陥を抱えているのではないか。
飛行機だって、ねじ1本欠陥があればいずれ墜落する。
不穏な空気が世の中漂っているのであれば、手を打っていくのが仕組みを作る政治の仕事だと思います。
格差拡大を示すデータがあります。
年収に関する「転職サービスDODA」が調査した2012年のデータです。
20代 平均値343万円 中央値320万円
30代 平均値458万円 中央値420万円
40代 平均値608万円 中央値550万円
50代 平均値754万円 中央値700万円
中央値というのは、100人の年収を調べたとして、その100人を一列に年収順に並べて真ん中の人間がいくら収入があるかということです。
100人だと真ん中がないので50番と51番ということでしょうか。
よーく見ると年代が進むにつれて平均値と中央値の差が開いているように見えます。
何が起こっているのか。
ちょっとした例で考えてみます。
100万円を10人で分けるとしましょう。
次の場合の平均値と中央値を計算してみましょう。
例1)1人10万円ずつ分ける。
当然平均値は10万円、中央値は10万円。
例2)1人が91万円、残り9人で9万円を分ける。
平均値は10万円、中央値は1万円。
例1より、例2のほうが平均値と中央値の差がドーンと開きます。
例1より例2のほうが明らかに格差があります。
平均値と中央値のひらきは格差の存在を示すのです。
年代別年収でも同じことが起こっているのが分かります。
上記の年代別年収について考えれば一部の人の年収が上がり、残りの富をその他で分け合うかたちになっています。
格差はもはや政治問題です。