アメリカ・K-12の教育政策・最先端レポート -データ分析の観点から

アメリカのK-12(小学1年から高校3年)に関する教育政策、膨大なお金がうごめく教育産業、教育政策を支える教育研究機関の動向を(勝手気ままに)述べるブログです。アメリカの教育政策に直接携わる立場から、分かり易くレポートしていきたいと思います。


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全米共通学力テストを採用する州政府が減り続け、代わりにSATやACTのテストを採用していく州政府が増えている、というニュースについて。
 
 
 
久々の全米共通学力基準・テストの話し。今回は、全米共通学力テストとして作られたSmarter Balanced、そして(私が以前スタッフとして働いていた)PARCCを使用する州政府が減り、元々あったテスト会社であるETSが作った、全米の大学進学の際に提出する必要があるテストであるSAT、又はそのライバル会社・ACTが作ったACTのテストを採用する州政府が増えている、という話しです。
 
<減りゆく全米共通学力テスト>
 
約7年前、アメリカ50州&ワシントンDCの内、45州&DC地区が(Smarter BalancedかPARCCを)採用する予定、として始まった全米共通学力テスト。しかし7年経った今、27州政府が不採用を決定し、他のテスト会社のテストを採用するに至っています。
 
とりわけ、高校生レベル(9年生から12年生)での全米共通学力テスト(つまりPARCCかSmarter Balanced)の不採用が増えていて、全米共通学力テストを高校レベルで使用する州政府はたったの7州、逆にSATやACTを採用する州政府は2年前ほんのいくつかの州政府だったのが、今は12州政府まで増加してます。オバマ政権で可決したEvery Student Succeeds Actで高校レベルの学力測定に大学入学で必要なテストをする方向性を示したせいもあり、この傾向(ACTかSATを高校レベルの学力テストで採用すること)はより一層強まると予想されています。
 
*****
参考程度ですが、現在のアメリカ連邦法で規定されたAccountability法では、小学3年から8年生(アメリカは一般的に6年生から8年生までが中学)までは全学年学力テストが必修で、高校4年間(9年生−12年生)は、全学年必修ではなく、高校時に最低一回の学力測定をする規定になっています。
*****
 
<PARCC&SmarterBalancedの最新情報>
 
では、具体的に見ていくと、
 
1.20州&DCが全米共通学力テスト(PARCCかSmarterbalanced)を使用。昨年度(2015-16)と同じ数で、2年前に比べて、9州の減少。
 
2.27州政府が州独自のテストを(テスト会社と契約して)開発、又はテスト会社が独自開発したテストを使用
 
3.3州政府が、州独自のテストと全米共通学力テストを混ぜた混合型のテスト。ルイジアナ州&マサチューセッツ州がPARCCと州独自のテストの混合型で、Smarter Balancedとの混合はミシガン州。
 
4.高校レベルの全米共通学力テストの使用状況は小学3−8年生よりも少なく、たったの7州・・・
 
<変わりゆく高校レベルの学力テスト>
 
高校レベルのテストですが、これは使用する内情が小中レベルとは少々異なるので、少し細かく見ていくと、
 
1.25州政府が、州内の高校生に、大学進学で必要なテスト・SATかACTのテストを受けることが必修。この州法を取り決めた州政府は去年より4州増加。
 
2.連邦政府のAccountability法によって全州政府が必修である、高校レベルの学力結果報告に、SATかACTのテストを用いる州政府が12州で、昨年と同じ数。
 
3.昨年度は、いくつかの州政府が、ACTかSATのテストと州独自のテストの2つを用いて、生徒の大学進学に必要な学力(英語で言うCollege Readiness)と生徒の(大学進学とは関係ない、高校の各学年で規定された基準値と照らし合わせた)学業状況の2つの測定を行っていたが、今年(2017−18年度)はそのような2つのテストを用いるのはミシシッピー州政府のみ
 
で、最後に卒業条件にテストを用いる政策においては、
 
1.12州政府において、テストで一定の基準値をクリアーしない限り、卒業できない規定を設けていて、これは昨年より2州政府減少。
 
2.上記の12州政府の内、生徒自ら自分にあった学力テストを選択できる州政府もあれば、既に決まっている学力テストを受けるしかない場合など、州政府によって様々
 
3.基本学力テストを受けることになっているか、多少の柔軟性があり、研究プロジェクト、仕事経験等、他の課題で(テストで一定の基準値に達する代わりに)代用も可能の取り決めもあり、学力が特に低い生徒にも卒業できるような取り決めとなっている。
 
<総論>
 
全米共通学力基準・テストの話しはできる限りアップデートしていっていますが、第一印象としては、
 
もはや全米共通学力テストの”全米(Nation-wide、又はNational Common)”って言えるのか?
 
という感じになってきています。私がPARCCに働いていた当時(2011−12年)は最大で23州政府が採用すると決めていた状況で、会議一つ開催するにも、23州政府分の参加する州の役人全ての書類・ホテルの手配・・・等、それはそれは大変でしたが、今や7州政府&DC地区のみ・・・。
 
かなり減った状況で、なくなりはしないのかな?という状況で、見ていてハラハラ・ドキドキのような状況です。というわけで、今後も全米共通基準・学力テスト状況はアップデートしていきたいと思います。
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全米共通学力基準・テストの一つ、PARCCテストの高校レベルでの使用状況を報告した記事内容について(誤字等あったので、訂正しました)。

PARCC Continues to Fade at the High School Level

New Jersey Becomes Second State to Require PARCC Passage for Graduation

結構久々の全米共通学力基準・テストのお話。どんどん州政府が離脱し、全米共通(Nationwide Common Core)という響きが嘘のように縮小しているこのテストですが、今日はその中の一つ、PARCC(ご存知、私が以前働いていた組織)テストの高校レベルでの使用状況についてお伝えします。

<離脱する州政府>

まずは良くない話しからで、PARCCテストを使用する州政府であるイリノイ州&ロードアイランド州が高校レベルでのPARCCの使用を止め、小学3−8年生(ロードアイランド州は9年生まで)に限定する、という決断を下しました。

イリノイ州の場合、州教育委員会が最終決定を行い、来年度(2016-17年度)から高校2年生(アメリカでいう11年生)はテストが多過ぎるため、PARCCテストをせず、大学進学を必要な学力を有しているかをSAT(アメリカの大学へ出願する際に必要なテストで、出願する際、SATのスコアーか、もう一つメジャーなテスト・ACTの点数を通常報告します)を受けさせることに決めました(詳細はこちら)。

他方、ロードアイランド州は、イリノイ州と少々異なり、9年生も受ける決まりになっていますが、10年生はこれまたSATか、PSAT(同様のテストですが、SATと違ってエッセイーがなかったり、大学出願の際のテストスコアー報告には含まれない・・・もちろん、例外はありますが)のテストを受けることになりました

この2州政府の決断、共通しているのは、

Over-testing(テストのしすぎ)

という懸念。実は全米共通学力基準・テストが昨年実施される前から先ほどふれたACTやSATのテストを州法で受けることを義務付けている州政府は数多くありました

PARCCやSmarterbalancedがいくら全米共通・・・とアピールしても、既に大学出願の際に求められるテストにこれら二つのテストが取って代わることは難しく、結果的にOver-testingなる現場に負担が増加する・・・ということになり、結果として高校レベルでは、SATやACTが結構負けずに踏ん張っている(つまり継続して使用されている)、という印象です。

<テスト結果と卒業条件>

では逆にPARCCにとって良いニュースを。

ニュージャージー州がPARCCテストでProficiencyレベルに達することを高校卒業条件にすることに決定した

という驚きのニュース。

ちなみに、PARCC以外のテストは認めず、このテスト結果のみを卒業条件にするのは、ニューメキシコ州に続き2番目現在のニュージャージー州法ではPARCC以外のテストでも卒業条件で一定のレベルをクリアーすれば卒業に認定されますが、2021年度以降はPARCCテストの結果のみ、との決定をニュージャージー州教育委員会が決定しました。

ただ、この決断、結構リスクを伴う決断で、実際、今年度(2015-16年度)ニュージャージー州は州の生徒の4割しかProficiencyレベルに達していません。2021年度以降は、このProficiencyレベルに達するのが卒業必須条件になるので、もしクリーアーできない場合、Portfolioと呼ばれる個別で卒業条件をなんとか満たす必要があります

ちなみに、もう一つの全米共通学力テストであるSmarterBalancedではワシントン州のみがこのテスト結果のみを卒業条件にする決断を下しており、他の州政府はSmarterBalancedのテストか、それ以外でもオッケーの柔軟な政策を取っています。

***
詳細はEducation Weekが分かりやすくまとめたサイトを。ちなみに、ACTかSATを卒業条件として使用している州は現在21州政府なので、アメリカの約4割に相当します
***

<総論>

今日のネタ、元PARCCスタッフとして思うのは、

大学出願の際に要求されているテストを取り扱っているACT、そしてSATテストの底力の凄さ!!

こんな感じでしょうか。

College-readiness(大学に行く準備が学力的にできているかどうか?)という基準値を含んだテスト!!と豪語してテスト産業に参入したPARCC&Smarterbalancedですが、テスト会社が何もせずに傍観しているわけはなく、彼らの方がこれまで膨大な生徒が受けたテスト結果なるデータがあり、その膨大なデータを管理・分析するスキル&知識&経験もあり、どれをとっても彼らの方が上!!という感じで、PARCCは縮小するばかりです。

このまま縮小し続けるかはともかく、各州政府がこの状況下でどういった判断を下すか、今後もこのブログで報告していきたいと思います。
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2015-16年度の全米共通学力テストの採用・実施状況について。

State Solidarity Erodes on Common-Core Tests

毎度お馴染み全米共通学力テストのお話(本当は学力テストから学校評価、又は教員評価するリサーチについての論文読んで、それをアップしたかったんですが、時間がなくて、今日はテーマをこちらにしました・・・)。

今年度(2015-16)の全米共通学力テストについてはEducation weekなどで常にアップデートしてましたが、大まかながら、短くまとまった記事を見つけたので、今日はそれを紹介します。

<減り続ける全米共通学力テスト>

二つある全米共通学力テスト(連邦政府から法律上規定されている、小学3年生から中学2年までのテスト)の内、

PARCC採用州政府・・・6州政府(コロラド、ニュージャージ、メリーランド、ロードアイランド、ニューメキシコ、イリノイ)とワシントンDC地区

SmaterBalanced・・・14州政府

私がPARCCで働いていた2011-12年の時点では23州政府が政策決定における投票権を持つGoverning Stateで、その他いくつかの参加州政府があったことを踏まえると、約4分の1まで減ってます。

27州政府が独自の州規模テスト

2州政府(ルイジアナ、ミシガン)がblendと呼ばれる全米共通学力テストと州規模テストの混合型
(ミシガンはSmaterBalancedとミシガン州テスト、ルイジアナはPARCCとの混合型)

最も興味深いのがマサチューセッツ州で、ここだけがマサチューセッツ州規模テストか、PARCCのどちらかを採用するか決められる選択権を地元学区に与えたパターンで、これはマサチューセッツ州のみ。

2014-15年度の時点で全米共通学力テストを採用した州政府が28(+ワシントンDC学区)あったので、一年で8州政府脱退してます。

<全米共通学力テスト(高校編)>

先に触れたテストはあくまで小学3年から中学2年までアメリカは州によって異なりますが、基本Middle School(中学校)は6年生から8年生)で、9年生から12年生の高校は別のテストになり、これは各州政府によって政策が結構異なります。

これを前提に高校の、全米共通学力テストの実施状況を見ると、

9州政府が全米共通学力テスト(PARCCかSmaterBalanced)を使用

高校の場合、英語は基本9年生だけで、10年生は他のテストを使用するなど、各州政府工夫して使用してます。

ちなみに、紹介している記事によると、15州政府だけが、全米共通学力テストだけで連邦政府から規定されたテストスコアーの報告義務を果たしています

***
上の文面、簡単に言うと、No Child Left behind法で小学3年から8年生まで、そして高校は別枠でテスト結果の報告が義務付けられているのですが、これを全米共通学力テストだけ(つまり他のテスト会社が独自に開発したテストを使わず)でテスト結果の報告を済ましている、という意味です。
***

<高等レベルのテスト状況>

最後に興味深い他の高校レベルのテスト状況。紹介したリンク先の記事でも触れられていますが、

1.高校レベルの学力テストは(昔と比べて)College-admission Exam(大学入学試験)の準備的意味合いが増している。

全くぴーんとこないかもしれない日本人の方のためにいうと、アメリカの大学に出願する際(日本のような各大学が行う入学試験はないものの)テストスコアーの報告が求められ、これがある一定の点数に達していない場合、大学に入学できません。

大抵の大学は(あのハーバードやイエール大学でも)SATやACTといったテストの点数を求めていて、このSATやACTというテストはテスト会社が作成したテストで、このSATやACTが(大学出願のためだけでなく)

そのまま高校卒業の必修条件にもなってきている

ということが最近の興味深い変化です。簡単にいうと、

昔は各州で定められた州規模のテストを受けて高校卒業条件を満たす一方、大学出願のためにSATやACTのテスト勉強をしてテストを受け、テストスコアーを出願時に提出する・・・これだったわけですが、州内で定められた卒業条件がそのままSATやACTのテストになってきてる、ということに州法が変わってきているのです。

具体的に見てみると、

21州政府はSATかACTのテストが州法で必修

・3州政府はSATやACT、又はそれに準ずるテストのどれかを受けること

・12州政府はSATかACTのテストスコアーをそのまま連邦政府から義務付けられたテストスコアーとして報告

ハワイ州ではSATかACTを大学進学する学力測定に、そして州規模独自のテストも受けさせてこれは、学力到達度を測る、などなどテストを受ける生徒にはたまったもんではないような気がしますが・・・。

**
各州政府の高校レベルのテスト状況はここをクリックして見て下さい。
**

<総論>

今回の記事、おおまかながら、全米規模でテスト状況がざっくり分かる、というのが僕の印象で、たまにはこんな記事もいいもんです。

全米共通学力テストは誇大広告が先行してしまい、実際に実施すると、どんどん州政府はやめてしまい、来年はどうなるんだろう・・・なーんて思っちゃいました。
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全米共通学力テスト・PARCCについて専門的な見地からメリット、ディメリットを考察したブログを今日は紹介します。

Strolling through the PARCC (data)

久々過ぎる更新。前の更新はいつだっけ?って思ったら、なんと去年の11月終わり・・・(汗)。時に過ぎ行く早さにびっくりです。

で、更新できる時に更新しようということで、今日もまた全米共通学力テストのPARCCですが、いつもと違って、今日は専門的見地から考察します(紹介するサイトは、僕が個人的に最も大好きなBruce Baker先生のブログ)。

<PARCCの概要>

あまりに久々の全米共通学力テストネタなので、まずは軽く概要から。

2014-15年度に初めて実施された全米共通学力テストがPARCCとSmarter Balancedと呼ばれる二つのテスト。このブログで再三再四ふれてきましたが、英語と算数のテスト・小学3年生から中学2年生(8年生)、そして高校レベルの英語テスト、数学はAlgebra 1 、2、そしてGeometryがあります。

これまでの州規模学力テストと異なるのは、全米レベルで共通の学力テストだけでなく、

College Readiness

と呼ばれる、テストで生徒が大学で勉強するだけの学力を有しているかも測定できる、という点が見所でした。専門的に(正確に言うと、統計学上の分析方法を用いて)How ready students are for collegeを測定するというもので、テストスコアーから、大学1年生が取らないといけない、英語、数学のコースでB以上の成績を取れる一定の可能性がある、と判断できる学力をみるというもの。

他方、問題点として、2013-14年度までは、各州政府は独自の州レベルのテストを用いていたため、2013-14年度のテストとPARCCとして実施した2014-15年度のテストが比較できない、ということが盛んに指摘されていました。

それにも関わらず採用した州政府があるのは、それなりに理由があります。

<PARCCのメリット>

1. College Readiness

先程述べたテストスコアーから大学で勉強できる学力を有しているかを判断するという指標。これまでの州規模の学力テストと異なり、一応PARCCのテストスコアーはその判断する指標も含んだ上でテストスコアーを計算しています。

判断する指標も含んだ・・・とは大学レベルのデータも用いて、テストスコアーを大学1年生レベルの授業でB以上の成績を収めるであろう・・とされるデータとリンクさせて上で、最終的にテストスコアーが弾き出されている、ということで、これまでの州規模テストのスコアーはそれがなく、州内で学力テスト結果が報告されただけで、大学のデータとは無関係に計算されたスコアーとは異なる、という点です。

2. 全米レベルでテストスコアーの比較が可能に

これまでの州規模のテストと異なり、これで、ある州の学校のテスト結果が全く別の州の学校の結果と比較が可能になりました。

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アメリカはこれまでNAEP(The National Assessment of Educational Progress)と呼ばれる全米規模のテストは(1960年代終わり、又は1970年代初頭から今もまだ)実施していますが、これはあくまでサンプルと呼ばれる、州内の一定数の選ばれた生徒だけに受けさせたスコアーで、全生徒が受けていませんでした。

そのため、州と州の比較は可能でしたが、学校と学校の比較や学区レベルの比較はできなかったので、PARCCはその制限はないという点でメリットの一つとなります。
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3. Ceiling Effect(天井効果)が少ない

Ceiling Effectとは、簡単にいうと、テストスコアーのバリエーション(又は範囲)がここからここまでです、という範囲のこと。例えば、体重計が仮に0キロから200キロまでの範囲だった場合、200キロまでの人なら正確に測れますが、200キロ以上の人は全て200キロ以上としか測定できません。

テストスコアーもしかりで、学力が凄く高い生徒はテストスコアーの範囲の関係上、細かく測定できませんでした。州レベルのテストの場合、テストスコアーが300点までの場合、300点とだけ表示され、305点なのか、320点なのか?とはならず、高い人は皆300点でした。

その点、PARCCのような全米レベルになると、テストを受ける生徒の数が大幅に増えた分、その範囲も広がり、賢い人は全て300点、とはなりにくくなります

<PARCCのディメリット>

メリットがあれば、ディメリットも存在するわけで、PARCC側があまりにも誇大宣伝していた感が否定できない側面もあり、

1. PARCCは本当に州規模のテストよりもBetterなのか?

私がPARCCのスタッフとして働いていた2011-12年度の頃からそうでしたが、盛んに州規模のテストよりもPARCCもテストの方が優れている、と言っていました。

確かに、先程述べたメリットはありますが、teacher evaluation(教員評価)や各学校の評価を行う際に使う、という点では州規模のテストスコアーもPARCCのスコアーもエラーが存在するし、それがPARCCになった所でエラーが減るというわけでもない。(言い換えれば、各生徒のスコアーの上がり下がりの内、何%が先生の影響で、何%が学校の影響なのか?ということなどを、テストスコアーから判別することはできない、という点では州規模テストもPARCCも同じということです。)

2. コンピューター式テストとペーパー式テストのスコアー

これは、Bruce Baker先生のブログではなく、Education Weekの記事からですが、今全米中で問題になっているPARCCネタの筆頭がこれ。

Education Weekでも何度も報道してるし、上のリンク先の記事でブログ書こうかと思ったくらい、重大な問題。PARCCはSmaterBalancedと違い、ペーパー式とコンピューター式の両方でテストを実施しました。で、これが問題で、ペーパーで行おうが、コンピューターで行おうが、テストスコアーは同じ(言い換えれば、比較可能)でないといけません

学力のせいではなく、コンピューター式で行った、という理由でテストスコアーが低くなれば、それは学力ではなく、テスト形式によって学力が下がったというわけで、これはある種のエラーであり、これが多く見られるなら、コンピューター式で受けた生徒とペーパー式で受けた生徒には別々のテストスコアーを報告しないといけません

州規模の場合、通常こんな混乱をさけるため、大抵の場合、どちらか片方の形式でのみ行うことが多く、仮に両方の形式で行ったとしても、それは圧倒的多数が片方の形式(コンピューター式かペーパー式か)を採用しています。

PARCCの場合、これをどちらもそれなりの数の生徒が受けているから問題で、テストスコアーが比較可能でない可能性が極めて高い、ということがわかっています。

いくつかの採用した州政府が州規模で独自に分析したら、比較可能でないテストスコアーだった、というレポートが数多く報告されており、ぶっちゃけ、私が働く学区でも分析を行った結果(というか、分析したの僕ですが・・・笑)、やっぱり極めて怪しい結果(つまり、ペーパー式とコンピューター式でテストスコアーがおかしい)が出ました。

ちなみに、この問題、PARCCの回答が極めて怪しく、公のコメントが

テスト全体で分析した結果、おかしなスコアーはなかった

というだけ。全体・・・というのは、各学年別で分析した結果ではなく、PARCCぜーんぶのテストスコアーで分析したら、エラーがなかった・・・なる訳の分からないコメントのみ。

通常、この分析は各学年別に行うのが普通で(当たり前のことですが、各学年別で異なるテストを実施しているのだから、分析は各テスト別、つまり学年別でやるのは当たり前)、分析結果も各テスト別(学年別)でエラーがあったか、なかったか、で報告しますが、PARCCはこの点については黙りしてるのみ・・・。

というわけで、PARCCのテストスコアーに関しては、結構皆不不信感を抱き始めています・・。

<総評>

この種のネタ、実はBruce Baker先生のブログではさらに突っ込んだ批評を行っていますが、内容がさらに進展するので、一旦ここで終わりにします。というわけで、もう少しブログ更新頻度を高められるよう頑張ります!!
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全共通学力基準・テストを採用しているマサチューセッツ州が、昨年度から使用したPARCCテストと、これまで使用してきたマサチューセッツ州規模テストを混合したテストを2017年度から実施する案を承認した、というニュースについて。


Massachusetts Board Approves Hybrid PARCC, State Test

Massachusetts Education Chief Calls for New Hybrid Test

個人的に大変ビックリしたニュースが飛び込んできたので、思わず更新ですが、全米共通学力テストの一つ、PARCCを採用した中心の州政府であるマサチューセッツ州が、今後これまで使用してきたMCAS(マサチューセッツ州規模の学力テスト)とPARCCのテストを混合したハイブリッドテストのようなものを作成する、という案でマサチューセッツ州教育省が承認した、という大変興味深い決定を今日はお伝えします。

<マサチューセッツの昨年度テスト実施状況>

何度かこのブログでもお伝えしてきましたが、昨年度(2014-15)全米共通学力テストが初めて実施されましたが、全米で唯一マサチューセッツのみ、それまで使用していた州規模のテスト・MCASとPARCCを両方実施し、どちらを用いるかは各地元学区にその選択権を委ねました

*****
MCASは、マサチューセッツが1998年から採用し、2003年から高校卒業の条件の一つにするという州法となり、2010年に、ScienceとTEchnologyのテスト科目も加わったテストです。
*****

ところが、No Child Left Behind Lawの免除を承認した連邦政府・教育省がその独自路線に難色を示し、免除する条件の一つが、

全米共通学力テストを採用すること

となっていた、その条件に反するとし、今年度中にどちらを採用するか決定するよう連邦政府からの要望が来ていました。そのため、タウンミーティングの如く、今年に入ってマサチューセッツ州政府がミーティングを4箇所で開き、とちらを採用するかの意見交換を行っていました。

どちらを採用するか大変注目を集めていたこの動き、まさかの急転換、どちらかのテストを採用するわけではなく、どちらも用いる、ハイブリッドテスト(英語でも、Hybrid testと表記)なる決定をつい最近決定し(正確にはマサチューセッツ州教育省が承認)、話題を集めています。

<ハイブリッドテストとは?>

このハイブリッドテスト。簡単にいうと、

PARCCのテスト問題の一部とMCASのテスト問題の一部を混合させて作るテスト

というまー端的にいうとそんなテストです・・・・・・・・・が、これデータ分析、そしてテスト理論であるPsychometrics的にいうと、理論上可能でも実際にやるなら結構大変・・・ってのが、Psychometricsのデータ分析に関わってた端くれである私の意見。

後、そうなるとそんな独自テスト作るテスト会社が必然的に必要になるわけで、まーややこしい道を選択したなーって思ったりしますが、あまりの独自路線、そして誰も思いつかなかっただけに、興味深い選択をとったのは事実。

ただ、実はマサチューセッツ州、去年度の段階で、10年生は全てMCASを受ける、という州法があるため、10年生は実はMCASを皆受けています。州法ではMCASだが、州内ではPARCCが採用されている・・・という少々矛盾した状況があっただけに、このハイブリッドテストはある意味、苦肉の策と言えるかもしれません。ちなみに、承認された内容では、2017年度までに全生徒がこのハイブリッドテストを受ける、という条件になっているので、残り2年足らずです。

ちなみに、昨年度は州内の53%がPARCCのテストを受けています。

<総評>

なんとかPARCCに食い止まった決定を下したマサチューセッツ州。一番喜んでいるのはPARCCのスタッフの人たちでは・・・という気がするこの決定ですが、紹介したリンク先の記事では全く言及されてませんが、これを果たして連邦政府は承認するのだろうか?とふと疑問に思ってしまいます。

PARCCを採用はしてるけど、使用しているテストは他の採用している州政府と異なるテストで、単純な話、このハイブリッドテストの結果と他のPARCC州政府のテスト結果は比較できません。

それでも、採用はしてるのだから大丈夫、とマサチューセッツ州は主張するでしょうが、個人的には連邦政府がどう反応するか楽しみです。

ちなみに、私が働く学区があるPARCC州政府、ひょっとしたらマサチューセッツ州のハイブリッドテストを採用するかも・・・という記事を読み、えっ!!て思ったりした、今日この頃です。
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