アメリカの銃事件に対する学校の安全問題へのトランプ政権の取り組みについて。

 

Don't Let Schools Spend Federal Money on Guns, Democrats Urge Betsy DeVos

 

Here's What DeVos and Trump Have Said About Giving Guns to Teachers

 

今日は銃問題の対応を巡る学校の危機管理問題に関するトランプ政権の取り組みについて。(普段はアメリカの学力テストを巡る政策を取り上げることが多いこのブログですが、今回は特別こんなネタです)。

 

銃問題に関わる学校の危機管理、安全の問題は、記事を読むにせよ、ブログで取り上げることはしなかったのですが、さすがに今回のトランプ政権の政策には少なからず驚いたので、特別に取り上げることにしました。で、個人的にびっくりしたトランプ政権の政策案が、

 

連邦政府が毎年提供している予算の枠内で、学区(School District)が銃を購入し、学校内の先生に銃を支給することを許可する

 

という、まーかなり度肝の抜かれた案(笑)!!というわけで、リンク先の1番目の記事内容は、このトランプ政権案に野党である民主党議員グループから怒涛の反対が(当たり前ながら)起こり、教育長官・Betsy DeVosに

 

連邦政府の支給する教育予算で銃購入は認めてはいけない!

 

と説得にあたった、というのが記事内容。しかも、この連邦政府の教育予算は(私が専門にしている)Accoountability政策である、Every Student Succeed Actのために支給される予算内から銃購入を認めようとしているから、Accountability政策の専門の端くれとしては、Accountabilityの予算で銃購入でオッケーなら、正直なんでも購入できるやんけ!!って思った俺(笑)。

 

<民主党の見解>

 

言わずもがな・・・ですが、民主党の見解は、

 

Every Student Succeed Actの予算は、学校のテクノロジー、学校の環境整備等に充てるべきで、教員に銃を与えるようなことは、生徒や学校職員に不安を与えるような逆効果にしかならない

 

という趣旨であり、学区(School District)に連邦政府からの予算で銃の購入を許可しないように訴えています。民主党の議員150名以上が募り、教育長官に正式な抗議文を送りました(1つ目のリンク先に正式な抗議文(スキャンされたもの)の全文が見れます)。

 

さらに・・・です。教育長官がSchool Safety(学校の安全、危機管理)の目的で、銃購入、及び銃の使用方法に関するトレーニングに予算を充てることを学区に認め、最終決定は学区に委ねる、という趣旨の発言をしたので、この種の議論がさらに加熱してきています。

 

<教育長官の見解・対応>

 

そもそもこの教育長官・Betsy DeVosさん。僕個人としてはあまり肯定的なイメージは正直ないですが、基本「最終決定は、現場の方々に委ねる。。。」という趣旨の見解がとにかく多い印象を持っています(ひねくれた見方をすれば、教育政策に精通しておらず、はっきりとした見解がなく、最終決定は現場に委ねる・・・という発言で常にお茶を濁し、決して責任を取らないような姿勢が見られる・・・といった感じ)。

 

この最終決定は現場に・・・発言は今回も多く見られ、学校現場における最終決定もSchool District(学区)に委ねると発言してます。さらに言うと、トランプ政権側は、オバマ政権で承認されたこのEvery Student Succeed Actに、予算を銃購入を禁止する、という趣旨の項目が規定されていないため、学区に銃購入を認めても問題はない、という趣旨の発言をしており、トランプ大統領も学校の(先生ではないけれど)スタッフに銃の携帯を許可すべき、という趣旨の発言をしています。

 

ちなみに、学校の先生に銃の携帯を許可する(Arming teachers)という案はもちろん評判はよいわけはなく、いくつかの州でトレーニングを受けた学校職員(Trained school Staff)に銃の携帯を許可する、という州法がある程度です(といっても、これでも日本人からすると結構凄いですが・・・)。

 

<総評>

 

アメリカ・教育省は、テキサス州の学区からAccountability政策の予算枠内で銃の購入は許可されるのか?、という質問が舞い込み(テキサス州は上記の学校職員に銃の携帯を許可している州の一つ)、現在検討中とコメントしていますが、これまでの通例ならば、連邦政府からの予算で、School Safetyという目的での銃購入は基本禁止されてきた、ということで、この通例が壊されるのか、まーある意味見ものです。

 

というわけで、銃問題はこのブログでは扱っていませんが、事が事だけに、何かあればこのブログでお伝えしたいと思います。