アメリカ・博士課程の大事な仕事である、Research Proposal Paperについて。

 

先週木曜日、遂に2018年秋セメスター(Fall Semester)が始まりました。アメリカの他大学よりも少々早い開始となった木曜。夏休みはゆったりしてたキャンパスがあり得ないくらいの数の生徒が行き来し、ジムもいっきに若い学生でごった返してました。

 

翌日の金曜、私の所属する教育学部の新博士課程対象オリエンテーションが開催され、昼ご飯前のセッションである、Program Breakout Session(2つある専攻ごとに生徒は分けられ、コーディネーターの教授が先導しながら、生徒一人ひとりが自己紹介などしつつ、在校生の博士課程の生徒に質問などするセッション)の在校生として参加しました(もう一人参加したのは私と同じ二年目のチリ人の女性)。

 

通常5−6人の入学である私の所属するプログラム(Educational Policy & Evaluation)ですが、今年だけ例外的に8人入学し、珍しいことにアメリカ人はゼロ。韓国人一人、インド人一人、ヨーロッパから3名、アフリカから一人、後南米2名とまー多種多様になった今年の新入生。在校生への質問時間で質問され、私が答えた回答があったのですが、それが

 

これから論文を書き、発表していかないといけないけれど、一体どんな準備を一年目にしておいたらよいか?

 

でした。意外に知られていない、基本的だが必要なResearch Proposal Paperの中身。学術誌(Academic Journal)や学術学会(Conference)で発表する論文は通常最初に短い形のProposal Paperを書き、審査されます。その審査に通った論文のみが発表となりますが、このProposal Paper、当たり前ですが、フォーマットは決まっています。

 

多分どの分野もそうですが、どれだけ画期的なアイデアであっても、フォーマットを無視して書いて審査に通ることはありません。私のいる教育政策でも、フォーマットは決まってて、

 

1.Introduction(イントロ)

2.Literature Review(自分が研究しているテーマで、過去に行われた研究を整理し、紹介するとともに、自分の論文が他の過去の論文とどう違うかもここで説明する。論文を書く時一番時間がかかるのがこのLiterature Reviewでその理由は、過去の論文を片っ端から読み、整理する必要があるから)

3.Framework(正確には、Conceptual FrameworkとTheoretical Frameworkがあり、この2つ少々違いますが、簡単に言うと、自分がこれから行う研究がどのような順序、段取りで行わられるか説明する箇所。結構説明しずらいのですが、例えて言うなら何か家具を作る時に参照する取り扱い説明書みたいなもの)

4.Methods(データ分析方法・・・で統計学の手法を使うなら、統計学のどの分析方法を用いるのか、を説明する箇所)

5.Results(分析した結果で、字の名の通りです)

6.Discussion(分析結果を元に、その解釈を説明し、結果がどういう意味を持つか説明する箇所)

7.Conclusion(字の名の通り結論です)

 

とまあ、ざっくり言うと、上記のようになるのですが、こんなことを新入生に説明しても(オリエンテーションの時間も限られているし)意味ないので、私が答えたこととして、

 

Big Nameを調べ、多く引用すること

 

これを挙げました。Big Name。。。ですが、これは別に私が作った用語ではなく、私のアメリカ人のアドバイザーから何度か言われた、私が書いている論文へのフィードバックにあったもの。論文が審査に通る基準の一つが、このBig Name、つまり研究している分野で有名な教授の過去の論文をどれだけ引用したか?ということが重要だということ。

 

博士課程に入学した当初、片っ端から論文を読んでましたが、どの教授が有名か?などには気にせず、自分の興味あるトピックの論文を読み、引用してたら、先生から、「Big Nameを引用しなさい」とか「これらの教授はBig Nameだからもっと引用していきなさい」とか色々言われました。その後、このBig Nameにも注目しながら論文を色々読み、どの教授が私が研究する分野(私の場合だとTeacher Evaluation:教員評価)で有名か把握し、それを踏まえて論文の書き直しをした、という経緯がありました。

 

というわけで、このBig Nameに注目して論文を読むことを新入生にアドバイスし、セッション終了後、あのアドバイスは良かった、とコーディネーターの教授から声かけられたので、あーよかった・・・と思った、金曜でした。

 

その後、ランチタイムになり、新入生数名とテーブルを囲んで昼食をし、在校生の連中とも久々に再会し、秋セメスター何の授業登録した?なーんて、話しで盛り上がりながらオリエンテーション会場を去った俺(オリエンテーションは夕方近くまでありましたが、在校生の私は出席する必要がなかったので、ダタランチを終わらせて、図書館で勉強してました)。

 

というわけで、セメスターは始まりましたが、なんとか頑張ってブログ更新していきたいと思います。