アメリカの博士課程・大学院生の夏休み残りわずかの状況について。

 

あっという間に夏休みも一週間をきり(私の通う大学はなぜか8月半ば頃から始まりますが、通常アメリカの大学は9月から秋セメスター開始)、ブログも更新しようと思いつつうまくいかず、やりたいことは結局半分くらいしかできなかったような(というか、やりたいことが多過ぎるのが問題なんだが・・・)。

 

というわけで、前回同様、アメリカ・博士課程の大学院生の生活について、今日も書きます。テーマは、

 

夏休みも終わりに近づき、所属する大学院からも様々な連絡が届き、博士課程の大学院生が二年目にむけてどんなことをしているか?

 

について(という、極めて個人的な体験に基づいて書きます・・・)。

 

大学全体で言うと、大学の大半は(院生ではなく)大学生であるため、新大学一年生を迎えるイベントの準備や夏休み最後の週末ということで、数多くの新入生がDormitory(大学寮)に引っ越しで、路上は荷物を運びする生徒とその保護者、そして一時停車している車だらけ。今日も大学のジムで運動してたら、ジムを見学する新入生だらけ。あー、夏休みも終わりだなあって実感する瞬間です。

 

<所属する教育学部>

 

博士課程の生徒にとっては、夏休み残り一ヶ月くらいから結構色々なメールが所属する大学院から届きます(一応、夏休み中も頻繁ではないですが、メールは来ますが、あまり重要なメールはなく、アドバイザーの教授やSummer Jobという夏の仕事関係以外のメールが重要だった感じ)。そんな感じで、二年目を迎える博士課程の生徒の夏休み終わり直前の感じをお伝えすると、

 

1.新・博士課程の生徒対象のオリエンテーション

 

一番頻繁に届くメールの要件がこれ。去年私も新入生として参加した博士課程の生徒対象オリエンテーションに関する日程、準備などのメールです。

 

二年目だから参加しなくても良い・・・と思いきや、そうではないです。基本、久々に教授連中はもちろん、新入生と顔合わせする良い機会として、オリエンテーションの一部であるFree Lunch Time(要するにダタ飯です・・・笑)は結構去年もみんな参加してました。

 

さらに言うと、オリエンテーションも全て教授や関係者からの話だけではなく、私の所属する大学に限って言うと、教育学部の博士課程の院生だけで構成される大学院生の組織(日本でいう生徒会・・・みたいなものですが、もっとプロフェッショナルな感じで、博士課程の生徒がPresident、Vice-Presidentなどなどを務め、大学院生の要望を学部の偉いさんに伝える重要な役割を担ってます)が主催するパネルディスカッションなども含まれます。

 

このパネルディスカッションは、博士課程の生徒団体が主催するため、教授は参加せず、去年はAcademic Coodinatorさんが唯一院生以外で参加してました。なぜか知りませんが、私が入学した2017年度はこの組織への貢献が活発で、今年度のPresident、Vice-president、Treasureなど要職6つの内4つは私の同期の院生が務めることになり、「みんな研究や勉強の合間に時間あんのかい?」って思ってしまいました。

 

去年のオリエンテーションでは、韓国人の当時二年目の院生が「セメスターで授業は3つまで。4つ取るととんでもない地獄のセメスターになるので、絶対オススメしません!!」と言って、部屋中笑いが起こったり、黒人の二年目の生徒は「とにかくReading Assignmentが多いから、全部読もうなんて考えない方が良い。時間がなかったら、論文のイントロとSummaryだけ読んで授業に参加して乗り切った!!」など、教授がもし居たら眉間にシワ寄せるようなアドバイスが沢山聞けて、結構ためになったりします。

 

去年はランチだけでなくDinnerも出て、全生徒、教授参加可能なパーティー形式の集まりはDinnerだったんですが、今年はお金がないのか、夜食なしで、オリエンテーションも午前中で全部終え、パーティー形式の集まりはランチだけになってますが、色んな人に会えるので、新入生は参加必修、在校生では二年目以上の院生は参加はRequiredでなく、Recommendedと通知が来ました。

 

2.Mentor

 

これ、以前このブログでふれたことありますが、大学院は基本、新入生は分からないことがあるから、在校生がアドバイスする立場として、Mentor Programを準備していることが多いです。

 

Mentorとは、日本語訳すると相談役ですが、要はなんかあったら相談に乗れる先輩みたいな立場です。これは、さっき言った大学院生の組織が中心で行われ、メールを通して、もしMentorをやってもいいなら、アンケートに答えて、その組織の院生が、新入生の研究テーマと近い在校生の院生を見つけ、先輩・後輩のマッチングを決める、というもの。

 

これについて私もMentorがいて、この5月で二人いる内の一人(アメリカ人女性)は無事卒業し、ネバダ州に仕事見つけて引っ越ししました。もう一人のMentor(アメリカ人男性)は5年目に突入し、今博士論文を必死に作成中です。二年目になる私もMentorになることが決まり、最近新入生とメールでやり取りし、オリエンテーションのフリーランチタイムで会いましょう、と約束しました(ちなみに相手の生徒は名前からアメリカ人ではなく、名前見ても難しくて、男性か女性かすら全く分かりません・・・笑)。

 

3.RA(Research Assistantship)& TA(Teaching Assistantship)

 

実は二年目以降の生徒にとって一番重要なのがこのRAとTA。アメリカの大学に通った人なら何度も聞いたことがあるTAとRA。博士課程の生徒は皆TA、またはRAの仕事をすることで、学費が免除され、生活費が支給される大事なお仕事です。

 

新年度ということで2年目、3年目、そして四年目の生徒は、誰がどの教授の下でRAなら研究の助手、TAなら教授の授業の助手として働くか?というこれまたマッチングが必要になります。

 

以前説明しましたが、私の所属する教育学部ではユニークな決まりがあって、20時間働くことは必修だけでなく、

 

First 10 hours(10時間)ー各生徒のアドバイザーの教授の研究の仕事

 

Second 10 hours(10時間)ーアドバイザーの教授以外の教授の研究の仕事

 

ということで、10時間は必然的にアドバイザーとの研究なのですが、もう別の10時間はアドバイザー以外の教授と研究を行うという決まりになっています。7月初旬にどの教授の研究に興味があるか?というアンケートのメールが来て、教授の中で、助手が必要という教授の研究テーマ、概要、その研究で必要なスキルや知識が書かれていて、全博士課程の生徒は、その中から第一希望から第三希望までを報告し、学部の担当者たちで生徒と教授をマッチングする、という作業でした(というか、今年はその責任者が私のアドバイザーだったので、電話で一回がっつり話しをし、結構大変な役目引き受けてるなあって思いましたが・・・)。

 

7月の終わりにこの結果がメールで発表され、アドバイザーの教授、そして生徒はそれぞれどの教授の研究に配属されたか確認できる、というプロセスでした。私の場合、統計学を用いた数値分析を行うQuantitative Researchにのみ興味がある、というわけで、必然的に興味ある研究があまりなく(笑)、選ぶのは簡単でした。幸運にも第一希望の教授の研究に配属が決まり、おそらくオリエンテーション後にこの教授とのミーティングがセッティングされるということになりそうです。

 

<授業登録>

 

当たり前といえば当たり前の授業登録(Class Registration)。セメスターが始める前に完了しておくべきことですが、通常前の2018年春セメスター終わりまでには授業登録が開始されていて、基本早い人だと、夏休み前に授業登録終わってます。

 

私の場合、所属している学部以外の教授とコンタクトを取り、興味ある授業について質問し、3つ授業登録してましたが、なんと所属する学部の授業がキャンセル。理由は3人しか授業登録しなかったから。聞いたら、博士課程レベルの授業では最低5人は授業登録してなければ、その授業はキャンセルされる、とのこと。まー理解できる理由ですが、その通知メールが8月初旬に届き、慌ててプランの立て直しとなり、やっと違う学部の授業登録にこぎつけた、ということもありました。

 

キャンセルされた授業、個人的には楽しみの授業だっただけに、プランが狂った・・・という感じですが、こんなこともあったりするのが夏休み残り僅かな時期ならでは。ちなみに、次の秋セメスターは必修の授業一つ、統計学の授業一つ、リサーチアプローチに関する授業の計3つで、所属する教育学部の授業は必修の授業だけ。統計学の授業はPsychology(心理学部)から、リサーチアプローチの授業はCommunicationの学部からと全くもってバラバラになりました。

 

<新学期を迎えるにあたって>

 

新学期を迎えるにつれ、私のような(アメリカで生活が長いですが一応)外国人学生には、外国人学生オフィスから歓迎イベントや説明会等に関するメールも届きます(といっても、どれも行ったことないですが・・・)。

 

私のようなアメリカ滞在10年以上の人はともかく、英語圏以外の国からアメリカに初めて留学してきた留学生には、こんなイベント参加は結構助かったりもするし、何もしないで部屋に閉じこもっているよりは、何らかのイベントに参加して英語を話す機会ができたりとメリットはあります。

 

私の通う大学では、全ての外国人学生は、外国人学生が有意義に大学生活を過ごせるよう(昔ならオリエンテーションに参加でしたが、最近はその代わりに)オリジナルビデオをネットで見ることが義務付けられており、それを見てないと授業の単位を取得できないようになっているなど、ネットを有効活用して留学生の対応をうまくやってるなあって感心しました。

 

というわけで、次こそはこのブログ本来のテーマである教育政策について書けるよう頑張ります・・・。