アメリカの博士課程の大学院生の夏休みについて。

 

久々のブログ。書きたいネタはあるのですが、どれにしたら・・・と思ってたら結構日にちが経ったので、教育政策とは違う、自分の夏休みを通して、アメリカの博士課程の大学院生の夏休みについてちょろっと紹介することにします。

 

<日本とアメリカの夏休みの違い>

 

夏休み・・・といえば、アメリカ人と日本人では夏休みでの感覚が結構違うことがあります。

 

まず、アメリカが学校が基本新学年が9月始まりなので、日本人が4月は学校が始まる、社会人一年目、新学年で新しいクラスで・・・というのが、アメリカ人には9月に相当します(これ、意外に見過ごしている結構大事な違いです)。

 

以前、このブログでお伝えしたことがあるのですが、日本人にとって夏休みは、小学校から高校まで、

 

夏休みの宿題が出て、1学期と2学期の間の休み

 

こんな立ち位置です。つまり、夏休みは宿題をして、新学期に備えるという意味合いがあります(それ故、受験勉強では「夏を制するものは受験を制する」なーんてフレーズがあったりします)。しかし、アメリカは夏休みは一学年が終わった、ということになり、日本とは大違いで夏休みの宿題なるものは一切ありません!!なぜなら、9月から新学年が始まるから!!です(宿題出しても提出してチェックする人がいないので宿題を出す意味がないのです)。

 

そのため、日本人にとって夏休みは部活などのクラブ活動、塾や予備校などの夏期講習会、そして夏休みの宿題とありますが、その宿題はありません。そのため、夏休みの過ごし方も少々違う面があります。

 

<大学院生の夏休み>

 

では、そんなことを踏まえた上で、アメリカの大学院生の夏休みはどんな感じか?というと、周りの大学院生の友人、所属する大学の教授やアカデミック・コーディネーターらの話を収集してお伝えすると、

 

1.夏ならではの旅行

 

これは日米変わらず同じことで、院生も例外なく、勉強三昧だったセメスターが終わったので、この期間に旅行したり、家族と過ごしたりしてます(博士課程の生徒は多数結婚して家庭を持つ人が多いので、この時期に家族団らんをエンジョイするようです)。

 

2.夏休みのインターンや仕事

 

夏といえば、Summer Internship、という研究などの仕事経験を積む絶好の機会として、インターンなどでキャンパス外の仕事して、お金を稼いだりします。私は今年一年目だったので、インターンは敢えて応募しませんでしたが、前の職場の仲間から誘いは受けました(来年は受ける予定ですが)。

 

3.大学内の仕事、自分のアドバイザーと仕事する

 

夏は大学生にとっては、Summer Schoolと呼ばれる夏の授業があって、早く卒業したい人は夏にガンガン単位をかせいだり、(私のアメリカ人の大学生の友人のように)専攻を変えたため、既に履修しているはずの授業がまだ取れていないから、夏に授業をとって、他の同じ専攻の生徒が既に取り終えている授業を夏に取って追いつく、なーんてことはあります・・・が、博士課程の生徒には専攻を変えるというような、大学生が行うようなことはないため、セメスター同様、自分のアドバイザーと研究を継続して行う、こんな感じで夏休みを過ごします。

 

<夏休みにしかできないこと>

 

私の場合、アメリカで修士号を2つ取得しているため、大学院生としての夏休みは結構(良い意味でも悪い意味でも)経験してますが、博士課程としては初めてです・・・が、やっぱり少々気持ち的に違う感じがあります。

 

人にもよると思いますが、私や私の知る何人かの友人みたいに、ある一定の職務経験を経て博士課程に入学した生徒は、元々博士課程で勉強・研究したいことがあるから、仕事を辞めて大学院に戻った、この認識がはっきりあります。

 

そのため、多少大袈裟な言い方をすると、わざわざ仕事を辞めてまでも大学院に戻ったくらい研究、勉強する目的があるわけで、そのため、何か特定のことに集中して勉強できる人生最後の期間、これが博士課程の4−6年間、という認識があったりします。そのため、夏は授業を取らない分、教授との仕事を行う一方、今しかできないことを勉強する、ということが結構あったりします。

 

私の場合、統計学といって数値上のデータ分析を教育政策に用いる、ということをメインにしているため、統計学の基礎となる数学の勉強を今集中して行っていますが、そんなことをできるのも夏休みならではです。

 

また、自分が専門としている分野の知識を吸収する、専門分野で行わている研究論文を片っ端から読みまくる、こんなことも夏休みならではの作業です。

 

ということで、こんなことも博士課程の生徒ならではの夏休みの過ごし方で、数年前まで仕事してた時の夏は(博士課程の時に比べて)らくちんで楽しかったなー・・・・なーんて思ったりもします(笑)。

 

<夏休みの課題>

 

ちなみに、夏休みですが、個別のスキルアップみたいなことに時間を費やすことができる反面、すべきこともまたあり、教授との仕事以外にやらないといけないことは、

 

研究論文のProposal Paperを書く

 

これです。夏休みに多いのは、学術学会(カンファレンス)で発表したい研究論文を字数制限内に書いた短い論文の要旨を提出する締切りが意外に夏は結構あって、最近まで実は私も書いてました(最近ライティングセンターに二回も行って、徹底的に英文をチェックした私のドラフトが思いの外、教授から反応がよく、予想よりもはるかに早く仕上がって今ホッとしてます)。カンファレンス自体は来年の4月なのに、発表する論文の要旨の提出する締切りは夏・・・ということで、キャンパスで会った同期の院生みんな同じように書いてました。

 

とはいえ、提出しても受理されるかは別で、聞いた話しだと、2−3割程度の論文が受理されるというかなり競争率激しいので、どうなることやら・・・です。

 

というわけで、こんな感じでアメリカの博士課程の大学院生は、夏をエンジョイしつつも、カチャカチャ忙しくパソコンとにらめっこ状態は続いています・・・。