アメリカ・博士課程の大学院生の今日は宿題内容について。

 

超久々の更新。更新が滞っていたのは単に大学院の宿題が大変で時間がなかったから。博士課程の一年目、最初のセメスター、しかも半ば折り返し、終盤に差し迫ると、宿題も大変です。

 

で、今日はそんな宿題について。この秋セメスター、授業3つ取ってるのですが、Educational Measurement(私のPsychometricsとよく話すテストスコアー分析方法)とQualitative Research(インタビュー、観察(Observation)など数値以外のデータを集めた分析方法)は、宿題も専門的な話しなので、今日のブログでは専門の授業である、

 

Pro-seminar - Policy study 1

 

についてお話します。

 

<教育政策の必修授業>

 

以前のブログ内容と重複しますが、この授業、今年Educational Policy & Evalaution(教育政策・評価)の専攻に入学した5人の生徒と教授二人のインストラクターの少人数授業で、4セメスター連続で続きます(次の春セメスターは、Policy Study 2、そして二年目は、Policy StudyからEvaluation(政策分析)に変わります)。

 

この授業、当初はTeacher Policy(教員に関する教育政策)がセメスター全体のテーマ、とお伝えしましたが、実際蓋を開けてみると、結構バラバラのテーマで、教員政策だけではなく、アメリカの教育政策全体の話があったりと色々でした。

 

教育政策&分析の生徒のみなので、アメリカの教育政策がどのようにして作られるか?についての概略を述べたテキストを使って文章を読んでディスカッション、まーこれがメインの授業内容です。

 

<必修授業の宿題>

 

この授業、宿題は色んな意味で一般的なものから専門的な宿題まで。セメスターも終盤に差し迫ったので、どんな宿題をこなしてきたか?をお伝えすると、

 

(1)Reading Assignment(授業前に読んでおくべき課題で、これが一番一般的な宿題)

 

(2)Reading Critique(三回)

アメリカ在住の日本人は皆、Critique(クリティーク)と読んでいますが、これは

 

与えられた(又は自ら選んだ)研究論文(又は教科書にある1チャプター分の量)を批評し、それをペーパーとして書く課題

 

Critiqueの方法はネット検索すると色々出てくるのですが、この授業では極めて一般的なCritique(論文のテーマ、目的、分析方法、研究結果、そして結論を要約し、論文の良かった所、良くなかった・ウィークポイント(又は改善すべき所)を書くいうまさに批評する感じ)を500−600字で書くのが三回ありました。

 

500−600字はページにして約3ページくらいの長さで一般的なペーパーより短いのが良かったですが、さすがに三回は疲れました。ちなみに、最初の2回は授業のReading Assignmentで読んだ文章から選び、3回目のCritiqueはまた別の宿題で取り組んでいる課題で選んだ論文の中から選んだもの(ただ、この授業では何でも良いわけでなく、データ分析を伴っている研究論文のみで、先生がオッケーの許可を得た論文です)。

 

(3)Annotated Intellectual Biosketches(2題)

 

英語で書くと何のことやらさっぱり分からないですが、私も最初聞いた時、「これって何?」と混乱しました。この宿題、内容をざっくり言うと、

 

所属する教育学部の教授で、自分の研究テーマに近い、または興味深い研究を行っている教授2名を選び、アポを取り、インタビュー(約1時間)して、決められたテーマに沿った質問をして、そのインタビュー結果を500−600字でまとめてレポートを書く

 

という宿題。正直、かなり邪魔くさい課題でした(笑)。ただ、決められたテーマ、というのがポイントで、テーマは、

 

ーどのようなプロセスを経て、教授職なる学術的な分野に関わることになったのか?

ーこれまでの人生の中で、感銘し、自分の研究に影響を与えた出来事・研究・書籍は何であるか?

ー自分の研究テーマで最も重要だと考える研究はどんな研究だったか?

 

などなど、極めてその教授個人の学術的なテーマに関してで、面倒でしたが意義ある課題だったのも事実。ちなみに私は、Educational Measurementの授業のインストラクターの助教授(中国人女性)と教育学部の教授陣を取りまとめる教授(教育史の専門家)の2名を選択。二人とも良い人だったので、助かりました・・。

 

実際、二人の先生とも、ターニングポイントと呼ばれる出来事があって、今の学術的な分野に携わることになったことが分かり、興味深い内容でした。

 

(4)Group Snowball Literature Analysis

 

これだけ、唯一グループワーク、つまり複数人で行った課題。たった5人しかいない授業だったので、アメリカの理科教育(Science Education)の政策研究をテーマにしてるアメリカ人女性と私は行いましたが、この課題も結構独特で、

 

後世に多大な影響を与えた超有名論文を(教授が作った)リスト(論文6題)の中から一つ選び、

 

1)選んだ有名論文の要旨

2)その論文に対してどんな検証目的の研究が行われたか?

3)その論文で主張された理論が、その後どのように発展・天界していったか?

4)その論文がその後、どのように批評され、強み・弱み等は何なのか?

 

ということを1500−1800字で書く、というもの。リストの論文は全て1980年代後半から1990年代後半に発表された、世界的に有名なものばかり。それ故、どの論文もその後、現在に至るまで何万論文もの数の論文で引用されています。

 

ちなみに私がリストから選んだ論文がこれかまたはこれ

 

引用しているとキリがないので、授業では最低10論文は引用して課題を書くように・・・との条件があり、グループワークだったこともあって、これまた面倒くさい作業でした。

 

(5)Mini Policy Analysis Memo

 

そのまま読むと、政策分析のちっちゃなメモと解釈してしまいそうですが(笑)、これは実際に政策立案等に携わる仕事をすると書くことになる、

 

Memorandum(日本人が言うメモを英語にしたもの)

 

のこと。ただ、日本人が言うメモの意味は、メモする(書き留める)、という感じですが、実際の英語でのMemoの意味は全く違います。Memorandumとは、実際のリサーチ論文の形式ではないが、政治家などの政策立案に関わる人が、簡単にささっとあるテーマについて調べた内容を理解するために報告される報告書のようなもの。

 

Memorandum sampleとGoogle等で検索すると沢山出てくるので、例は示しませんが、これを1500字程度で書いてくる、というのがその宿題。

 

ただ・・・、書くべき教育政策のテーマが決まっていて、

 

Impacts of large-scale assessment on policy

(大規模な学力テストが教育政策にどのような影響を与えたか?)

 

というもの。幸い、全米共通学力テスト・PARCCのスタッフだったので、学力テストの教育政策への影響は得意分野だったので、比較的楽しく書けました。

 

(6)Annotated mini-bibliography

 

これまた英語で表記すると意味(文献目録ですが)が分かりませんが、要は

 

研究論文を読み、文献目録のようなフォーマットで、各設けられた形式で論文の要旨を書く

 

こんな感じでしょうか。

 

具体的に言うと、自分で選んだ研究論文に関する

 

ー論文の出典

ートピック

ー研究目的

ー(研究で使われた)理論・根本となった基礎・根拠(どんな認識・根拠で研究が行われたか?ということ)

ーリサーチのサンプル数

ー研究方法(Methods)

ー研究結果

ー結論

ー論文の要旨

ー論文の批評

 

というカテゴリー別で論文のポイントを書いてくる、というもの。前回同様、大規模な学力テストが教育政策にどのような影響を与えたか?というテーマで選んだ論文のみでしたが、まあCritiqueするよりは楽かな・・・といったところです。

 

(7)Case Analysis Presentation

 

これだけまだ終わってませんが(というか、セメスターの最後の授業で行うので・・・で、まだそのセメスター終わってないので)、(5)&(6)で行ったトピックである(大規模な学力テストが教育政策にどのような影響を与えたか?)を通して学んだことをまとめ、15分くらいのプレゼンで発表する、というもの(これ書き終わった後、そのプレゼンの準備する予定ですが)。15分間のプレゼンと質疑応答とのことで、まートピックが好きなトピックなので、あまり心配してません。

 

というわけで、こんな授業が3つ、そして教授との研究論文の作成も同時進行で行うと、一週間はあっという間に過ぎ去ります。今は、このセメスターが一日も早く終わって欲しい・・・それを思い巡らせながら宿題を行う日々です。