アメリカ西海岸での博士課程・一年目が遂に始まったので、そこらへんについて少々。

 

日本人でアメリカの大学生活をレポートするブログは結構あるような気がしますが、博士課程に進学した日本人が、大学院ライフ、とりわけ博士課程のプログラム・生活状況についてレポートしているブログはあまり見たことがないので、珍しく私事ですが、アメリカの大学院・博士課程ってどんな感じかちょくちょくレポートしたいと思います。

 

<新入生歓迎オリエンテーション>

 

私の通う大学は、前のブログでお伝えした通り、一般的なアメリカの大学とは異なり、8月下旬スタート。

 

馬鹿でかいキャンパスがいっきに人混みで溢れかえり、キャンパス内は、自転車&歩行者用の場所、歩行者のみ(自転車は押して通行)に分かれ、自転車で色々行ってた私には少々不便な感じ。(下の写真はキャンパスの風景。いかにも西海岸の大学って感じですが・・・)

そんな中、私の所属する教育学部の新博士課程の生徒対象オリエンテーションがありました。アメリカは、博士課程の生徒には待遇がある意味全く違うなあーって思い知らされるのが、このオリエンテーション。博士課程の生徒だけで、修士号の生徒はまた別のオリエンテーション。もちろん、待遇等は博士課程の生徒の方が断然良いです(以前お伝えした通り、博士課程の生徒は全員授業料免除・生活費補助・保険も含まれていて、私も学費は払わずに済んでます)

 

私のプログラムは2つの専攻に分かれ、私を含む5名入学(アメリカ人2名、チリ人1名、アメリカ生まれのアルメニア人、そして私。ちなみに、男性は僕だけ・・・汗)。もう一つの専攻・Learning Literacy & Technology(子供の学習方法、読み書き、そしてテクノロジーを授業・生徒の学習に役立てることにフォーカスしたブログラム)は9名(一人女性タイ人がいるだけで、残り皆アメリカ人。ちなみに、男性は二人)。

 

教授陣のプログラム、大学紹介から始まり、軽食を挟んで、各専攻に分かれて交流会。同じ専攻の在校生の博士課程の生徒二名&教授一人、そして新入生の我々5人でのお話。

 

ここで専攻(Educational Policy & Evaluation:教育政策&政策分析)が同じでも、興味あるトピックが全然違うことが判明。K-12Education(アメリカの初等・中等教育)の専門は僕だけ(笑)。残りは、国際教育、高等教育などでした。

 

その後、在校生5名によるパネルディスカッション(大学院生活を乗り切る秘訣、アドバイス等が聞ける)あり、最後にリセプションがあり、博士課程の全生徒、スタッフ、教授も参加して、皆思う思うに喋り倒してやっと終了。12時から始まり、6時過ぎまで続いたオリエンテーション、正直疲れました・・・。

 

<博士課程の授業登録>

 

大学生(Undergraduate)と異なり、大学院生は授業はせいぜい3つくらいが一般的(博士課程の在校生の一人が「授業4つは取りすぎで、こなしきれない!!」と発言し、部屋中皆笑ってたくらい)。一年目の最初のセメスターである私は、3つの内2つは既に必修で取るのが決まっていました。

 

1.Qualitative Research Approaches

 

読んで字の如く、リサーチ(研究)方法について学ぶ授業・・・でしが、最初の単語・Qualitativeがポイントで、私の得意な数値上のデータ分析方法のようなアプローチではなく、インタビューなどによる人との会話等でデータを集める方法で、数値のデータではない所が特徴(授業まだ始まってないので、具体的にお伝え出来ませんが、時間があれば、授業内容等もレポート予定。ちなみに、私のアドバイザーの教授は、この授業がお薦め・・・と言っていたので、まー一応楽しみにしてます)。

 

2.Pro-Seminar Part 1 in Educational Policy Study

 

もう一つの必修がこれ。教育政策の専攻である我々らしい授業で、Policy Study(教育の政策研究)に特化した授業。

 

シラバスによると、今年は教員に関する政策研究を行う予定で、授業はまだ始まってないけど、既にReading Assignment(授業前に読んでおく宿題)が課せられていて、教員の雇用上の政策転換を訴える記事、子供の停学率が黒人生徒には特に高いことを問題視した記事、教員数が少ないことを訴えた教員側から州知事への公式書面を紹介した記事・・・とこれらの記事を授業でディスカッションするらしいです。

 

3.Introduction to Educational Measurement & Theory

 

唯一選択の授業で取れた授業。Educational Measurement、つまり私の大好き&専門であるPsychometrics(テストスコアー、アンケート調査結果分析)の理論の基礎を学ぶ授業。

 

実は、修士課程のプログラムで、同じような授業は取っていたのですが、博士課程に進学し、自らのPsychometricsの知識&スキルの復習を目的に取った授業(実は今このブログ書いている数時間後に授業が始まります・・・)。

 

Educational Measurementとは?テストとはどういう役割を担っているか?から始まり、Psychometricsの基本的分析方法を学ぶ授業。担当の教授(若い中国人女性)から、「あなたはPsychometricsのリサーチ経験があるから、この授業簡単かもよ。まー、あなたは経験があるから大丈夫」とオリエンテーションでも言われたので心配してませんが、それでも一応準備万端で授業にこれから行ってきます・・・。

 

<博士課程の利点>

 

修士課程と違い、様々な特典がついてくるのが博士課程。学費免除、生活費補助等以外にも、

 

1.所属する教育学部のプリンター&コピーはタダ

 

2.(既に紹介した)豪華なオリエンテーション(参加して、Tシャツ、10ドル分のスターバックスのギフトカードなどプレゼントされた・・・)。

 

3.自分専用のCubicle(アメリカのオフィスにある、小さく区切られたスペース)が与えられる

 

4.アドバイザーの教授と研究ができる(修士課程の生徒はこれが必ずしも保証されていなくて、教授と研究できない人が山ほどいます)

 

などなど、授業がまだ始まってないけど、結構他にも待遇が違います・・・。

 

ちなみに、私の場合、アドバイザーは2名いて、既にミーティングは行い、がっつり仕事与えられました(笑)。ただ、普段このブログでレポートしているような興味深い研究が、今度は自分が直接関わることになり、いやー、遂にやりたいことが本格的にできるぞー!!という感じです。

 

というわけで、今後も時間の許す限り、博士課程ライフについてレポートしたいと思います。