久々にアメリカの就職活動について。

このテーマ、前回書いたのが2011年で、約3年ぶりの更新ですが、就職活動でも、今回は就活する側でなく、面接する側です。

実は、以前書いたか忘れましたが、今年の夏、私の働くリサーチオフィスで、ずーと空きだったポジションの予算が下りて、一人雇うことになったのですが、まー中々良い人が見つからない、見つからない・・・。人気のある大都市の学区は人材も豊富で志願者も多いかもしれませんが、私の働く普通の都市部はそう多くの魅力的な志願者が応募するわけではありません。

さらに、7月終わりをもって同僚のおばちゃんが教員に転職し、そのポジションも空きとなり、面接ラッシュのような状態でした。今回、面接する側から改めて、アメリカで仕事を獲得する際に何が重要か再認識したのをきっかけに少し思ったことを(忘れないためにも)ここで少々お伝えしたいと思います。

***
今回のブログは一般的な話しをし、次回以降のブログで具体的なポジション名と、そのポジションで求められていたスキルや経験等について述べたいと思います)
***

1.Skill Gap(スキルギャップ)

私のオフィスで空いたポジションは、データ分析&レポートがメインとなる、Data Specialistと、簡単なデータ分析&レポート、学力テストのコーディネートが主な内容となる、Assessment Specialistの2つ。

それぞれ求められる専門スキルは違いますが、リサーチオフィスである以上、データ分析&レポート作成のスキルは必須です・・・・・・が、意外にもこのスキルが十分ある人がいない、いない・・・・・。

生徒の個人情報(人種、母国語、出席状況などなど)とテストスコアーが含まれるデータを分析する際、ある程度のData Manipulation&Organizationスキル(データを整理整頓するスキル)や経験がいるのですが、出願してきている人皆、往々にしてあまり膨大なデータを扱った経験がないのです。

Data Specialistのポジションは単なるエクセルだけでは対応できないこともあり、特定のソフトウェアの経験など質問に含まれるのですが、経験があっても、エクセルだけ(しかも、扱ったデータは膨大ではない)。

となると、明らかにスキルが足らない状態で、こんなスキルが不十分な状態をSkill Gapと我々は呼び、まー、これが現実です。

2.冷静沈着に・・・

意外に我々面接側も困り、志願者で多かったのが、

志願者が面接中、ビクビクしてて(Freaked out)、冷静沈着な状態でなかった

ということ。最近雇ったData Specialistのポジションは求められるスキルも専門的であるため、少々専門的な質問になって難しいのは分かりますが、だからといって、ビクビクしながら応えられると、我々の印象は全く良くなりません。

ある一人の志願者(若い白人アメリカ人女性)は、面接する広い部屋に入ってくるやいなや、「Are you serious??」とまさかこんな広い所で、面接官が沢山来て面接するんじゃないよね?と言わんばかりの、Are you seriousなるセリフをはき、質問の応えもメチャクチャ。(さらに言うと、終わった後、ボスが応対し、握手して見送るのですが、ボスの差し出した手を無視して去っていったらしく、ボスはかなり気分を害していました)。

我々も専門スキルや経験はもちろん見てますが、人柄も同様に見てるわけで、ビクビクした人やマナーに欠ける人を雇うことはありえません。というわけで、ビクビクされた答えをした志願者が全員二次面接に進めなかったのは言うまでもありません・・・。

3.面接質問の対応の仕方

これまた困ったのが、面接の質問に対する答え方。英語が母国語でない、外国語である私のような人間は、それはそれは答え方、使うべき英語表現方法など、それはそれは徹底的に練習し、アメリカ人の友人から何度も英語をチェックしてもらいましたが、逆にアメリカ人は、これほど準備不足で面接に来るか??ってくらいの人が結構いたから驚きです。

母国語である英語でやってるのに、日本人の僕でする「こんな表現するか、普通???」と頭をかしげたくなるような答えも多く、終わった後、ボスや同僚皆での話し合いで、ボス曰く、

「大学で面接の答え方等の訓練する機会があるはずで、準備不足も甚だしい」

とさすがのボスも愚痴っていたくらい。

ある白人アメリカ人男性は質問で、ズバリ、

I don't know!!

って答えられた時は、私のビックリするリアクションをなんとか冷静に押さえ、面接評価表の書類に、I don't knowとメモしました(笑)。普通、分かりませんなる答えは最もしてはいけない答えで、それを避けるべくいろいろな交わし方、答え方があるのですが、そんな準備が全くされていないのが良く分かるこの志願者た・・・。こっちは時間割いてやってるのだから、じっくり準備して臨んでほしいって何度思ったことか・・・。

4.自信過剰もまた困る


アメリカでは、確かにConfident(自信がある)な姿勢が高く評価され、ここは多分日本と違う美徳とみなされている一つかな・・・と思うのですが、いくら自信を持って答える姿勢が好印象になるとはいえ、間違った答えでもこのConfidentでいかれると、全くの逆効果になります。

Data Specialistのポジション、最初に6人面接し、3人二次面接に選び(その内一人は他の仕事を得たので二次面接を受けたのは結局二人)、その内一人が、データ分析&リサーチのスキル経験は結構あったのですが、二次面接で完全にしくりました。

二次面接の質問で明らかにずれた回答をしたのですが(皮肉にもその質問したのがこの私・・・笑)、そんな回答でもConfidentに答えたため、内心、「えっ?間違った回答なんやけど・・」と聞きながら思った俺。

確かに、僕もわざと変化球の効いた質問をしたのですが、これは意図的で、その志願者のポジションへの意気込み、どれだけ興味があるかを変化球で尋ねただけで、これが逆にこの志願者には逆効果になりました。

明らかにずれた回答にボスは同僚皆気が付き、面接後の話し合いでも皆その点を指摘し、結局この志願者はパスになりました。全て正しい回答だと思ってConfidentに答えすぎた故の失敗で、あーあーって思っちゃいました。

<総評>

面接を通して改めて知る準備の重要性。日本人だからこそ、何も分からないので、必至に当時は準備をしていたのですが、アメリカ人になると、母国語だから大丈夫だと思うのか、それはそれは準備不足で面接に来た志願者の多くに結構がっかりしたのが今回の面接。

というわけで、今日は一般的な話しなので、次回以降は、具体的に使用した面接の質問内容を取り上げ、我々がどのようにして志願者のスキルや経験をチェックしようとしたのか、紹介していきたいと思います。