全米選挙戦が近づく中、教育法案にからむ、投票対象の法案が議論の話題になっている、というお話。
Ballot Measures Reflects States’s Shaky Ecomonies
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住民投票によってどんな法案を議論しているのか?については、
http://www.edweek.org/ew/collections/election2010/stateballots.html
を参照して下さい。
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今日の話。リンク先の記事のタイトルにもある通り、
The burden of funding K-12 programs when state finances are shaky
(国家財政があやふやな時に、K-12(アメリカ義務教育の12年間)への予算が大きな負担となる)
という、各州政府がどうやってK-12教育への予算を配分・削減しているのか?、というお話。
選挙を控えた政治家、議員の人たちは教育法案の改正、予算のやりくりなど様々に主張、提言をし、教育の動向をチェックする側としては興味深い状況です。
では、教育予算のなんとかやりくりする各州がどんな改革案を出しているか、記事にある中で興味深いものを拾ってみると、
1.他分野から教育予算に配分するケース
<ワシントン州>
所得税を上げ、そこで得たお金を教育に回す。
→いたって分かりやすい、教育関係者には有難いお話。
<メイン州&オレゴン州>
新たにカジノ施設を建設し、そこで得た税金の一部を教育予算に配分する・・・という、日本もある意味やってみては?と思わせるプラン。
<カリフォルニア州>
California is considering a measure to roll back a package of recently enacted corporate tax breaks
最近制定された、法人税控除処置を止め、それによって入ってくる歳入分のお金を教育予算に回す・・・というもの(もちろん、カリフォルニア教員組合は賛成派)。
2.他分野の予算確保のため、教育予算削減ケース
<アリゾナ州>
タバコへの税金で得られていた、幼児教育の衛生&教育プログラムに回るはずの予算を削減し、一般財政へ配分する。
<コロラド州>
固定資産税を下げ、税収入が下がった分は、教育予算削減で穴埋めするプラン。
コロラド州が今回、住民投票で決めようとしていることは、まさに教育予算を引き締め、その分を他分野へ回し、全体の経済活性化、そして雇用拡大を狙ったもの。
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これはこれで興味深いですが、教育政策というより州の政治的な話なので、今回はスキップ。
見ての通り、教育一つとっても、実際の政策決定の一つと考えると、他分野とのバランスで予算が成り立っていることがよーく分かります。で、個人的に興味深いのが、
<フロリダ州>
クラスサイズに関する2002年の憲法改正案を緩和するか否かについて議論しているフロリダ州。
議会の議員、フロリダ教育委員会などが支持している、この発案された緩和案ですが、その規定内容は
The ballot provision would raise the state’s class-size limits by three in K-3 and by five students in the higher grades.
(フロリダ州のクラスサイズの制限を小学3年生は3人増加、それ以降の学年は5人までその人数を増加できる)
そう、つまり一クラスの生徒数が3人、又は5人増えてもいい・・・という、現場の先生のみ負担が増える内容。
それ故、フロリダ州の教員組合は猛反対。
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ちなみに、現在の制限は小学三年生は18人、4年生から中学二年生が22人、高校が25名
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ただ、教員の反対を予想してか、一応この規定内容を成立するための柔軟な部分もあり、
giving principals more control over how the reductions are implemented
(クラスサイズについて、校長先生により多くの権限を与えることになっている)
ということ。つまり、最終判断は校長先生に委ねます・・・という話。これ、現場の先生方がクレームをつけるのが最終判断である校長先生になり、校長先生は校長先生で、自分の学校の生徒を他校へ転校させる・・・などの対策をとらざるを得なくなり、まさに大変です。
とはいえ、このクラスサイズ変更の目的は、
不景気による緊縮財政での予算削減
というのが反対派の予想(もちろん、州政府側は予算削減がその目的ではない・・・と否定していますが・・・)。
州政府は、予算配分を教育だけにしているわけではないので、他分野に回したいのでは?という話もあり、このクラスサイズの変更を含む修正案が実行されると、毎年約300億から900億円くらいの予算が節約できる・・・とのこと。
3.1&2以外のケース
<オクラホマ州>
この州のよーく分からない案が、
One would require the state’s per-pupil spending to match the average of other states in the region, including Arkansas, Colorado, Kansas, Missouri, New Mexico, and Texas
要は、州の生徒一人当たりの費用が大変低いので、近郊の州政府の平均と同額分を振り分けようっていう、これまでとは違うプラン。
記事によると、オクラホマ州、Per-pupil Expenditure(生徒一人あたりの費用)が全米49位、教員の給料も全米48位と低迷していて、それを打ち破る案が、他州と同じレベルにする・・・というもの。
もちろん、州政府や議員が他州政府の動向に応じて、自らの州の予算配分額を決める・・・そーんな理屈が許されるか、と猛反論されています。
<最後に>
これらどの州にも共通することは、
教育政策、教育予算は他分野との兼ね合いで決まる
という、ある意味正統派のお話。
法人税控除を行うかもしれないカリフォルニアも、これは全米最大規模であるカリフォルニア教員組合の支持を得て、住民投票も通るかもしれない状況ですが、この控除処置が行われれば、結果的には
カリフォルニア州経済に将来影響を及ぼす
ということになりかねません。
幼児教育プログラムへの予算配分を一般財政へ回すアリゾナ州もまた同じ。幼児教育への予算削減が将来どのような影響を及ぼすか、誰にも予想がつきません。
オクラホマ州の政治家が言った、
Education has to be a priority,”(教育は(予算配分の)優先順位が高くないといけない)
“But it’s not the only priority."(しかし、教育だけ優先順位が高いわけではない)
ということ、まさにその通り。結果として、今年の差し迫った選挙で、政治家の政治的決断が迫られそうです。