紫陽花(あじさい)あらかると

 

ガクアジサイ(額紫陽花)は日本の固有種で、本州中部の半島や島に自生します。

 

三浦半島、房総半島、伊豆半島、そして伊豆諸島などです。。

 

三浦半島の中ほどに位置する、私が生まれ育ったこの横須賀市で、

 

このガクアジサイなるものの存在を知ったのは、

私がすっかりと大人になってからのこと。

それまでお花屋さんで見かけることもありませんでした。
 

 

 

それまでは、まんまるに大きく咲いた、
いろ彩々の風船のような花が

アジサイだとばかり思っていたのですけれど、
もともとのアジサイは、こちらのガクアジサイが本来の形で、
「手まり咲き」と呼ばれる、そうです。

まんまるな形になったのは、古代、中国に渡り、その後、欧州へ。
また、1829年にシーボルトが欧州へ持ち帰ったことがきっかけとなって

品種改良されたのが、西洋アジサイなんですって。


あじさいの名前も、
「藍色が集まったもの」を意味する
「集真藍(あづさい)」が語源であるという説があって、
それを知ってなおさらにこのガクアジサイの存在が、
私のなかで大きくなっていきました。


ちなみに、ガクアジサイは、「額」紫陽花。
花序の周辺を装飾花が額縁のように取り囲んでいることから
ついた名前だそうです。

 

こころ


こころをばなににたとへん
こころはあぢさゐの花
ももいろに咲く日はあれど
うすむらさきの思い出ばかりは

せんなくて

 

萩原朔太郎



寺千代(横須賀の声優・朗読家、四オクターブ、七色の声)