小さな頃、熱を出すと
空気のかたちが見えるときがあった
見えていた、というよりも
見えるように感じていた、が正解かもしれない
大きさは様々、大きいものも小さいものもあるそれは
透明なゼリーのようで
私は部屋の中に漂うそれを
ひとつずつ飲み込んでいく。
ときには
小さいけれどとても重いものがあって
飲み込むことがとても恐ろしかった
何故だかそれだけは飲み込んではいけない気がして。
鼓動が速くなる
そして歌うの、必死になって。
歌うことで自分と現実とを必死につなぎ止めようとした
お願いだから、いつもの世界に戻って!って
選曲は、何故だかいつもミッキーマウスマーチ。
私のミッキーマウスマーチが聴こえると
お母さんが部屋に来て、手を握っていてくれたの
空気の塊は消えて
ようやく私は
いつも通りの呼吸を始める