アガベとコウモリの共生:テキーラ生産と生態系保全の新たな挑戦 | 目時裕美ブログ「Happy Drink Life」

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アガベアスルの種って見たことありますか?
テキーラの主原料であるアガベアスルは、通常、親株から分かれた子株「イフエロ」を用いて栽培されます。これは、交配による遺伝的多様性を避け、品質を安定させるためです。しかし、この方法では遺伝的多様性が低下し、病害虫への耐性が弱まるリスクがあります。


一方、世界には1,400種以上のコウモリが存在し、メキシコには138種が生息しています。その中には、アガベの花の蜜を主食とし、受粉を助ける「マゲイコウモリ」と呼ばれる種がいます。しかし、近年、コウモリの個体数は世界的に減少しています。その原因として、餌となる植物の減少、乱開発や犯罪組織による生息地の破壊、気候変動などが挙げられます。

この状況を受け、メキシコ国立自治大学(UNAM)のロドリゴ・メデジン博士は、コウモリの保護活動を展開しています。また、テキーラ業界でも、アガベの一部を開花させ、コウモリによる自然交配を促進する「バットフレンドリー(Bat Friendly™)」プロジェクトが進行中です。この取り組みにより、アガベの遺伝的多様性を高め、持続可能なテキーラ生産を目指しています。


これらの活動は、アガベとコウモリの共生関係を再構築し、生態系のバランスを保ちながら、高品質なテキーラの生産を可能にするものです。持続可能な農業と生物多様性の保全が、テキーラ業界の未来を支える鍵となっています。

詳しくはテキーラジャーナルHPのコラムをご覧ください⬇️⬇️