日本初上陸!メスカルブランド『El Cortijo』と巡るオアハカのアガベ畑体験記 | 目時裕美ブログ「Happy Drink Life」

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来年から日本で正式に発売が開始されるメスカルブランド「El Cortijo」。今回は、オーナーご夫婦のご案内で、オアハカ州マタトランに広がるアガベ畑を見学する機会をいただきました。現地の壮大な風景と伝統的な手仕事を目の当たりにし、メスカルづくりへの情熱を感じる、感動的な訪問でした。

広大なアガベ畑に心洗われる瞬間

畑に足を踏み入れてまず目に飛び込んできたのは、果てしなく続く美しいアガベ畑。その景色を前に、思わず心が洗われるような気持ちになりました。畑は丁寧に管理されており、キオテ(花茎)が一本も見当たらないほどの完璧な状態。これは日々の手間を惜しまない作業の成果だと伺い、圧倒されました。


自社管理による高品質メスカルづくり

El Cortijoでは、アガベの栽培から収穫、そして蒸留まで、すべての工程を自社で手掛けています。畑では、十分に熟した最良のアガベだけを厳選して使用し、その甘く豊かな風味と香りが特徴のメスカルを生み出しています。この一貫した管理が、ブランドの高品質なメスカルを支えているのです。


過酷な畑作業と持続可能な農業

畑の管理には、驚くほどの労力が必要です。作業員たちは、手作業で雑草を刈り取りながら畑を整備します。1ヘクタールの畑の半分を掃除するだけでも、3~4日を要するほどの大変な作業。さらに、雨季に備えてアガベが十分な水分を吸収できるよう、土壌を軽く保つ工夫も欠かせません。


畑にはさまざまな年齢のアガベが混在しており、1~3年の若いイフエロス(子株)を収穫して他の畑に植え替えるサイクルを取り入れています。この方法により、収穫と植え付けが絶え間なく行われ、持続可能な農業が実現されているのです。


特別なメスカル「Espadín Capón」とは

アガベが成熟し、花茎(キオテ)が現れると、「カポン」という作業が行われます。この作業では花茎を切り落とし、エネルギーを球形部(ピニャ)に集中させます。このように特別に管理されたアガベを使って蒸留されるのが、ユニークな風味を持つメスカル「Espadín Capón」です。




カポンを行うことでアガベの糖度が高まり、その結果、甘みや複雑な香りが増します。この特別な手法により、El Cortijoのメスカルには他にはない独自性が加わっています。


今回の訪問を通して、メスカルづくりには多くの情熱と手間が込められていることを実感しました。作業員たちの細やかな手仕事や、畑の隅々にまで注がれる愛情。

そして、伝統を守りつつも革新を続けるブランドの姿勢に感銘を受けました。

このような背景を持つEl Cortijoのメスカルは、まさに特別な一杯。日本での発売が楽しみでなりません。